建設業許可

 建設業とは

建設工事の完成を請け負う営業をいい、日本においては、土木建築に関する工事で、建設業法に規定する建設工事の種類にある工事の完成を請け負う営業をいいます。
建設業法では、建設業を始めるには、「軽微な工事」を行う場合を除き、建設業の許可が必要となります。
軽微な工事」とは次のようなものをいいます。
@ 建築一式工事以外の建設工事では、1件の請負代金が500万円未満の工事
A 建築一式工事では、1件の請負代金(建設工事請負契約に基づく消費税を含む報酬金額)が1,500万円未満の工事、又は延べ面積が150u未満の木造住宅工事
☝ポイント

@の請負代金の500万円というのは、「消費税込みの金額」で、さらにこの500万円には「材料費も含んだ」額になります。たとえば、塗料や木材、壁紙などは当然ですが、エアコン、システムキッチン、太陽光パネルなども工事金額に含まれます。
高額な機械の設置工事であれば、設置する機会だけで500万円を超えてしまう可能性もあります。設置工事自体は大した作業ではなくても建設業許可が必要になります。また、材料を施主から支給された、元請けから支給されたという場合であっても、その材料費を含めた金額が500万円を超えると建設業許可が必要になります。
Aの場合は、税込み金額が1,500万円未満の請負金額になるか、又は金額に関係なく木造建築で延床面積が150u未満になるかのいずれかに該当した場合に建設業許可が不要になります。たとえば、木造住宅で2,000万円の工事であっても延床面積が140uであれば建設業許可は不要です。

 

 建設業許可とは

建設業を行うには、原則として、請け負う工事の種類ごとに許可を受けなければなりません。言い換えれば、許可を受けた者でなければ建設工事を行うことはできません。なぜなら、建築された建物の出来栄え次第で、国民生活に大きな影響を及ぼすことになります。たとえば、私たちの住む家やマンション等が基準を満たさない建物であった場合、生命の危険を及ぼすことになりかねません。
(1)建設業許可は業種別に取得する
建設工事といっても、さまざまな形態があります。建設業法では、業種を29種類に区分し、それぞれに許可を与えています。
大きく分けて、一式業種(2業種)と専門業種(27業種)に区分されます。【29の建設工事の種類と内容
一式業種
「原則として元請業者の立場で土木と建築に関して総合的な企画、下請け業者等への指導・調整のマネージメントを行いつつ、自社及び複数の下請け業者等の建設技術を用いて大規模かつ複雑な土木・建築工事を施行するための業種」のことをいいます。
1.土木工事業 2.建築工事業
専門業種
3.大工工事業 4.左官工事業 5.とび・土木工事業 6.石工事業 7.屋根工事業 8.電気工事業 9.管工事業 10.タイル・レンガ・ブロック工事業 11.鋼構造物工事業 12.鉄筋工事業 13.舗装工事業 14.しゅんんせつ工事業 15.板金工事業 16.ガラス工事業 17.塗装工事業 18.防水工事業 19.内装仕上工事業 20.機械器具設置工事業 21.熱絶縁工事業 22.電気通信工事業 23.造園工事業 24.さく井工事業 25.建具工事業 26.水道設備工事業 27.消防施設工事業 28.清掃施設工事業 29.解体工事業
☝ポイント

建築物等を除去するための工事を解体工事といいます。建設リサイクル法により、解体工事を営もうとする者は都道府県知事の登録を受けなければなりません。この解体工事業の登録と建設業許可の解体工事業の違いは、解体工事の請負金額の違いです。500万円以上か否かということです。500万円未満であれば、解体工事業の登録だけで構いませんが、500万円以上の工事を請け負うと違法となります。

(2)営業所の要件

(法第3条)
建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ)を設けて営業をしようとする場合にあっては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあっては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。(ただし書以下略)
(施行令第1条)
建設業法(以下「法」という)第3条第1項の政令で定める支店に準ずる営業所は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所とする。

営業所(常設建設工事の請負契約を締結する事務所)とは、請負契約の締結に関する実体的な行為(見積・入札・契約等)を行う事務所であって、少なくとも下記ア〜カに示す要件を備えているものをいいます。単なる登記上の本店に過ぎないものや建設業と無関係な支店、請求や入金等の事務作業のみを行う事務所・事務連絡所、工事作業員の詰める工事事務所や作業所等は、営業所には該当しませんが、他の営業所に対し請負契約に関する指導監督を行う等建設業に係る営業に実質的に関与する事務所であれば、営業所に該当します。
ア 外部から来客を迎え入れ、請負契約の見積り、入札、契約締結等の実体的な業務を行っていること
イ 電話(原則固定電話)・机・各種事務台帳等を備え、契約の締結等ができるスペースを有し、かつ他法人又は他の個人事業主の事務室等とは間仕切り等で明確に区分されている、個人の住宅にある場合には居住部分と適切に区別されているなど、独立性が保たれていることなお、本社と営業所が同一フロアである場合、同一法人であるため仕切り等は必要ないが、明らかに支店と分かるよう看板等掲示し、営業形態も別とすること
ウ 常勤役員等又は建設業法施行令第3条の使用人(支店等において上記アに関する権限を付与された者)が常勤していること
エ 専任技術者が常勤していること
オ 営業用事務所としての使用権原を有していること(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること(住居専用契約は、原則として認められません))
カ 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かる表示があること
※事務所の実態が申請書上で把握できない場合や、申請書の受付後に、営業所の要件を満たしているか否かが不明な場合などには、立入り調査を行うことがあります。
(3)「特定建設業」と「一般建設業
建設業許可は、下請契約の規模等により「特定建設業」と「一般建設業」の別に区分して行います。
@ 「特定建設業許可」とは、建設工事の発注者(最初の注文者)から直接請け負った一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を下請代金の額(その工事にかかる下請契約が2つ以上あるときは総額)が4,000万円以上(消費税込み。ただし、建築一式工事業に関しては6,000万円以上)となる下請契約を締結して施工しようとする者に義務付けられる許可のことです。金額区分は請負金額ではなく、さらに外注に回す金額の総額であることに注意が必要です。外注先の下請業者の保護を目的とし、発注代金の支払い等格段の義務が伴います。
A 「一般建設業許可」の場合は、元請けとして工事を請け負った際に、前述した制限金額を超える金額の工事を下請業者に発注することができません。高額工事を元請けとして受注する場合は、外注金額を枠内に抑え、自社施行することになります。これらは元請契約として受注する場合に限る制限です。
※元請工事としてではなく、下請工事として請け負う場合に関しては、「一般建設業許可」であっても外注金額等の制約を受けず受注することができます。
(4)「大臣許可」と「知事許可
建設業の許可は、次に掲げる区分に従い、国土交通大臣又は都道府県知事が許可します。
@ 2以上の都道府県にまたがって建設業法に基づく営業所を設けて営業しようとする場合・・国土交通大臣許可
A 1の都道府県の区域のみに営業所を設けて営業をしようとする場合・・都道府県知事許可
「営業所」とは、本店又は支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結することができる事務所をいいます。また、これら以外であっても、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督をを行うなど、建設業にかかる営業に実質的に関与する場合も、ここでいう営業所になります。ただし、単に登記上本店とされているだけで、実際には建設業に関する営業を行わない店舗や建設業とは無関係な支店等は、ここでいう営業所には該当しません。大臣許可・知事許可の別は、営業所の所在地で区分されるものであり、営業し得る区域又は建設工事を施行し得る区域に制限はありません。すなわち、東京都知事許可の業者であっても建設工事の施行は全国どこでも行うことが可能です。
(5)許可には有効期限がある
有効期限は5年です。引き続き建設業を営む場合は、更新手続を行わなくてはなりません。更新手続は、都道府県によって何日前からできるかが違いますので、各都道府県で更新の受付期間の確認を行ってください。
(6)まとめ
・下請保護の必要性の区分
特定(元請けとして受注した請負金額が4,000万円以上(「建築一式工事」6,000万円以上)、一般(特定以外)
・営業所の区分
知事(1つの都道府県の)、大臣(2つ以上の都道府県)
以上の区分により、一般知事・特定知事・一般大臣・特定大臣に分類されます。同一の業者が「大臣」と「知事」若しくは複数の「知事」許可を同時に、又はある業種の許可を「一般」と「特定」を同時に取得することはありません。ただし、業種が違えば、一方は特定、他方は一般で許可を取得することは可能です。

 

 建設業許可の要件(東京都の場合)

建設業の許可を取得するには、許可要件を満たすことが必要であり、監督官庁は、申請人が提出した許可申請書に基づいて許可要件を満たしているか否かを判断します。
【一般知事許可】の場合
1.「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力」に関する要件

(建設業法施行規則第7条第1号)
イ 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であること
(1)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
(2)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者
(3)建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(イ(2)ではない者)として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
ロ 建設業に関する経営体制を有する者(a及びbをともに置く者)
a 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者
(1)建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、この期間と合わせて5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験を有する者
(2)建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、この期間と合わせて5年以上役員等としての経験を有する者
b aを直接に補佐する者で、財務管理・労務管理・業務運営の業務経験を有する者
ハ その他、国土交通大臣が個別の申請に基づきイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有すると認めた者

許可を受けようとする者は、主たる営業所に「経営業務の管理責任者」を置くこと、又は建設業に関する「経営体制(常勤役員等およびこれを直接に補佐する者)」を備えることが求められます。
ア 「経営業務の管理責任者」としての経験について(規則イ(1))
営業取引上、対外的に責任を有する地位(持分会社の業務を執行する社員、株式会社・有限会社の取締役、指名委員会等設置会社の執行役または法人格のある各種の組合等の理事等、個人の
事業主又は支配人その他支店長、営業所長等)にあって、建設業の経営業務について総合的に管理・執行した経験をいいます。
イ 「経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者」について(規則イ(2)(3))
建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員についてのみ、規則イ(2)に該当します。その他の準ずる地位にある者(法人における部長、事業主における専従者等)は規則イ(3)に該当するものとします。
ウ 常勤役員等における「建設業に関する役員等としての経験」について(規則ロa)
規則ロ(1)(2)の経験を認定するためには、建設業に関する役員等の経験が2年以上必要であり、この期間と合わせて、規則ロaの経験が合計で5年以上となることが必要となります。
エ 「役員等に次ぐ職制上の地位」について(規則ロa(1))
財務管理・労務管理・業務運営に関する、役員または役員等の職制上(組織図上)直下にある管理職を指します。規則ロa(1)の常勤役員等を置く場合は、建設業に関する2年以上の役員等経験及びこの期間と合わせて、上記管理職での経験が合計で5年以上となることが必要となります。
オ 「常勤役員等を直接に補佐する者」およびその「業務経験」について(規則ロb)
規則ロに該当する常勤役員等を置く場合は、適切な経営体制を有することを示すために、財務管理・労務管理・業務運営のそれぞれについて、建設業に関して5年以上、申請者における業務経験を有する者達を、直属する者として置く必要があります(他社での業務経験は不可)。なお、この3名は業務経験を証明できる限り同一人であって構いませんが、常勤役員等と兼ねることはできません。
カ 令和2年9月30日以前に経営管理責任者である者(あった者)は、令和2年10月1日以降は原則規則イ(1)の該当者となります。

※常勤役員等の常勤性について
以上の常勤役員等および常勤役員等を直接に補佐する者は、常勤であることが必要です。「常勤」とは、原則として本社、本店等において、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画の下に毎日所定の時間中、その職務に従事していることをいいます。このため、住所が勤務を要する営業所から著しく遠距離で常識上通勤不可能な者、他に個人営業を行っている者、建設業の他社の技術者・経営管理責任者・常勤役員等および常勤役員等を直接に補佐する者や、他社の常勤役員・代表取締役・清算人等と兼ねることはできません。なお、他の法令により専任性を要するとされる管理建築士、宅地建物取引士についても同様ですが、同一法人で同一の営業所である場合には、例外的に兼ねることができます。

 

2.「専任技術者」に関する要件

(法第7条第2号)
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者
イ 学校教育法による高校(旧実業学校を含む。)指定学科卒業後5年以上、大学(高等専門学校・旧専門学校を含む。)指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者
ロ 10年以上の実務経験を有する者(学歴・資格を問わない。)
ハ イ又はロに掲げる者と同等以上の知識・技術・技能を有すると認められた者
@ 指定学科に関し、旧実業学校卒業程度検定に合格後5年以上又は旧専門学校卒業程度検定に合格後3年以上の実務経験を有する者
A 一定の資格区分に該当する者
B 学校教育法による専修学校指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者で専門士又は高度専門士を称するもの
C 学校教育法による専修学校指定学科卒業後5年以上の実務経験を申請に基づき認めた者
D その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者
(法第15条第2号)
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者
イ 一定の資格区分に該当する者
ロ 上記イ・ロ・ハに該当し、かつ、元請として消費税を含み4,500万円以上の工事(平成6年12月28日前にあっては消費税を含み3,000万円、さらに、昭和59年10月1日前にあっては1,500万円以上)に関し、2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
ハ 国土交通大臣が、イ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者
指定建設業については、上記のイ又はハに該当する者であること。

指定学科一覧はこちらから】 【専任技術者となり得る国家資格の一覧はこちらから
許可を受けようとする者は、全ての営業所に、上記のいずれかに該当する専任の技術者を置く必要があります。
ア 同一営業所における専任技術者の兼務について
複数の業種の許可を申請する時に、それぞれの業種について、技術者の資格の各基準を1人ですべて満たす者がいる場合は、同一営業所内であれば、その者1人で、当該業種の「専任技術者」を兼ねることができます。また、同一営業所内で、同一業種につき複数の専任技術者を登録することはできません。
イ 同一営業所における専任技術者と常勤役員等の兼務について
「経営業務の管理責任者・常勤役員等・常勤役員等を直接に補佐する者・令3条の使用人」と「専任技術者」との双方の基準を満たしている者は、同一営業所内において、両者を1人で兼ねることができます。但し、「経営業務の管理責任者」と「常勤役員等を直接に補佐する者」は兼務することはできません。
ウ 実務経験等の判定について
「実務経験」の詳細については別途参照してください。
エ 特定建設業の専任技術者の要件について
特定建設業の許可を受ける場合、専任技術者は所定の国家資格、又は「指導監督的な実務経験」を有する必要があります。「指導監督的な実務経験」とは、建設工事の設計又は施工の全般について、元請として工事現場主任又は工事現場監督のような資格で工事の技術面を総合的に指導した経験です。ただし「指定建設業(土・建・電・管・鋼・舗・園)」については、施工技術の総合性等が考慮されることから、指導監督的な実務経験のみにより技術者要件を証明した専任技術者では、特定建設業の許可を受けることはできません(一級の国家資格・技術士資格・大臣認定が必要)。

※専任技術者の専任性及び常勤性について
「専任かつ常勤」の者とは、その営業所に常勤して専らその職務に従事することを要する者をいい、雇用契約等により事業主体と継続的な関係を有し、休日その他勤務をしない日を除き通常の勤務時間中その営業所に勤務しうる者でなければなりません。このため、住所が勤務を要する営業所から著しく遠距離で常識上通勤不可能な者、他に個人営業を行っている者、建設業の他社の技術者、経営管理責任者、常勤役員等および常勤役員等を直接に補佐する者、他社の常勤役員・代表取締役・清算人等となっている者は「専任かつ常勤」とみなせません。なお、他の法令により専任性を要するとされる管理建築士、宅地建物取引士についても同様ですが、同一法人で同一の営業所である場合には、例外的に兼ねることができます。

 

3.「財産的基礎等」に関する要件
建設業を営むには、資材の購入、労働者の確保、機材の購入、工事着工の準備資金等を必要とするため、財産的基礎(金銭的信用)を有していることを要件としています。
■ 一般建設業の財産的基礎

(法第7条第4号)
次のいずれかに該当すること。
@ 自己資本が500万円以上あること。
A 500万円以上の資金調達能力があること。
B 直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在東京都知事許可を有していること。

ア 「自己資本」について
法人では、申請時直近の確定した貸借対照表における「純資産の部」の「純資産合計」の額を、個人では期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額を意味します。
イ 「資金調達能力」について
申請者名義(法人である場合は当該法人の名義であること)の口座における、取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書又は融資証明書(証明日の「○月○日現在」後1か月以内のものが有効)により判断します(P19「預金残高証明書」(注)参照)。
ウ 直前5年間の許可の継続実績について
廃業や許可の取消し、許可の有効期間が満了したことに伴う失効によって継続が途切れた場合や、一度も更新申請をしていない場合は該当しません。ただし、他の申請を伴わない初回の更新申請時については、5年間継続したものとみなします。(追加申請等を伴う場合はアまたはイによる)なお、許可換え新規申請においてはアまたはイのどちらかの要件を満たす必要があります。
■ 特定建設業の財産的基礎

(法第15条第3号)
次の全ての要件に該当すること。
@ 欠損の額が資本金の20%を超えないこと。 A 流動比率が75%以上であること。B 資本金が2,000万円以上あること。
C 自己資本が4,000万円以上あること。

特定建設業に関しては、下請負人保護のためさらに厳格な要件となっています。なお、一般・特定いずれの場合でも、倒産することが明白である場合は、上記基準に適合していないものとして取り扱うことがあります。
ア 要件の判定に使用する貸借対照表について
申請時直近の確定した貸借対照表(定時株主総会の承認を得たもの)において、下表の[1]から[4]までの全ての事項に該当していることが必要です。(新設会社で決算期未到来の場合でも作成)
イ 個人の場合の注意点について
決算期が未到来の場合のみ、4,000万円以上の預金残高証明書又は融資証明書(証明日の「○月○日現在」後1か月以内のものが有効)を提出してください。
ウ 欠損比率の計算方法について
繰越利益剰余金がある場合や、内部留保(資本剰余金(資本剰余金合計)、利益準備金及びその他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の合計)が、繰越利益剰余金のマイナスの額を上回っている場合には、要件を満たしていますので、下の計算式を使う必要はありません。

事項 法人 個人

[1]欠損比率

繰越利益剰余金の負の額ー(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)÷資本金×100≦20% 事業主損失ー(事業主借勘定ー事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金)÷期首資本金×100≦20%
事項 法人 個人

[2]流動比率

(流動資産合計÷流動負債合計)×100≧75% (流動資産合計÷流動負債合計)×100≧75%
事項 法人 個人

[3]資本金額

資本金≧2,000万円 期首資本金≧2,000万円
事項 法人 個人

[4自己資本

純資産合計金額≧4,000万円 (期首資本金+事業主借勘定+事業主利益)−事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金≧4,000万円

 

4.「誠実性」に関する要件

(法第7条第3号および法第15条第1号)
法人・役員等、個人事業主、建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人・支店長・営業所長等)が請負契約に関して、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者ではないこと

ア 「不正な行為」――― 請負契約の締結又は履行の際の詐欺、脅迫等、法律に違反する行為
イ 「不誠実な行為」―― 工事内容、工期等、請負契約に違反する行為
なお、建築士法、宅地建物取引業法等の規定により不正又は不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者は、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者として取り扱います。

※役員等とは
業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者(法人格のある各種の組合等の理事等(執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等を除く))又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいいます。具体的には「相談役」及び「顧問」のほか、「その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者」である可能性がある者として、少なくとも「総株主の議決権の100分の5以上を有する株主」及び「出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者」(個人である者に限るを指します。この他、役職のいかんを問わず、取締役と同等以上の支配力を有する者についても同様です。

 

5.「欠格要件等」について

(法第8条)
欠格要件(主な欠格要件は以下のとおり)に該当するものは、許可を受けられません。
1 許可申請書若しくは添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。
2 法人にあってはその法人の役員等、個人にあってはその本人、その他建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人、支店長、営業所長等)が、次の要件に該当しているとき。
@ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
A 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者(施行規則第8条の2)
B 不正の手段で許可または認可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者
C Bに該当するとして聴聞の通知を受け取った後、廃業の届出をした場合、届出から5年を経過しない者
D 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき、あるいは請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
E 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
F 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
G 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
H 暴力団員等がその事業活動を支配する者

 

6.「社会保険への加入」に関する要件

(法第7条第1号および施行規則第7条第2号)
許可を受けようとする事業者が、次のいずれにも該当する者であること
イ 健康保険法第3条第3項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、健康保険法施行規則第19条第1項の規定による届書を提出した者であること
ロ 厚生年金保険法第6条第1項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、厚生年金保険法施行規則第13条第1項の規定による届書を提出した者であること
ハ 雇用保険法第5条第1項に規定する適用事業の事業所に該当する全ての営業所に関し、雇用保険法施行規則第141条第1項の規定による届書を提出した者であること

【令和2年10月1日の建設業法改正について】 建設業法改正により、社会保険への加入が建設業許可の要件となりました。

 

 建設業許可申請の流れ(東京都の場合)

申請の流れ
@ 予備審査
(1)初めて新規申請をする方は、相談コーナーにて「建設業許可新規申請予約票(以下「予約票」と表記。)を記入した後に、原則として予備調査を受けます。
(2)新規申請に必要な書類が整っていると判断され他場合、相談員が予約票に予備調査済み印を押印しますので、受付にて審査希望日の予約を行います。
(3)上記(1)(2)について、新規申請書類作成に習熟された方(行政書士等)はこの限りではありません。
A 窓口審査
※東京都の場合、予備審査の後に窓口審査となります。
(1)指定された日時に予約票を持参のうえ、建設業課窓口までお越しください。
(2)新規申請にあたっては、書類の綴じ方、順番、確認資料の整理等について決められたとおりに行ってください。
手数料納付
書類に不備がなければ手数料を納付します。手数料が納付されると申請受理となります。
許可申請の手数料

申 請 区 分 手 数 料 等
●新規、許可換え新規、般・特新規 手 数 料  9万円(現金納付)
●業種追加又は更新 手 数 料  5万円(現金納付)

申請区分

申 請 区 分 説      明
1.新規 現在「有効な許可」をどの許可行政庁から設けていない場合
2.許可換え新規 国土交通大臣又は他府県知事の許可から東京都知事許可へ変更する場合

(現在有効な許可通知書の写しが必要となります)
※申請の受付は、従前の許可の有効期間が満了する30日前まで

3.般・特新規 ・「一般建設業」のみを受けている者が「特定建設業」を申請する場合

・「特定建設業」のみを受けている者が「一般建設業」を申請する場合

4.業種追加 ・「一般建設業」を受けている者が「他の一般建設業」を申請する場合

・「特定建設業」を受けている者が「他の特定建設業」を申請する場合

5.更新 「許可を受けている建設業」を引き続き行う場合
6.般・特新規+業種追加 3と4を同時に申請する場合
7.般・特新規+更新 3と5を同時に申請する場合 ※申請の受付は、許可の有効期間が満了する30日前まで
8.業種追加+更新 4と5を同時に申請する場合 ※申請の受付は、許可の有効期間が満了する30日前まで
9.般・特新規+業種追加+更新 3〜5を同時に申請する場合 ※申請の受付は、許可の有効期間が満了する30日前まで

更新申請の受付期間
5年間の有効期間が満了する日の2か月前から30日前まで
(例)許可日が6月5日の場合、満了する日は6月4日であるため、更新を受付開始可能となるのは4月4日(土日祝日である場合は翌開庁日)からとなります。
※東京都知事許可業者には、東京都から更新期限到来のお知らせを郵送しております。
許可の一本化】(許可の有効期間の調整)
同一業者で許可日の異なる二つ以上の許可を受けているものについて、先に有効期間の満了を迎える許可の更新を申請する際に、有効期間が残っている他の全ての許可についても、同時に1件の
許可の更新として申請することができます。これにより、各許可の許可日をこの更新申請の更新日に統一することができ、このことを「許可の一本化」といいます。
これは申請書様式第1号では「許可の有効期間の調整」と記載されています。
なお、更新申請と同時に新たな許可の追加申請・般特新規申請を行う場合にも許可の一本は可能ですが、許可の有効期間が満了する日の30日前までに受付が可能である場合に限られます。
標準処理期間
申請書の受付後概ね25開庁日程度となります。(土日祝日等の閉庁日を除く)

 

建設業許可(東京都知事許可)にかかわる郵送受付について

令和2年10月1日現在、一部の申請・変更届・決算報告について、新型コロナウィルス感染防止の取り組みとして、当面の間、原則郵送での受付としております。
郵送の方法や必要書類、注意点や郵送後の入金の流れ等については、東京都都市整備局のホームページより確認するようお願いいたします。
(郵送が可能なものについて)
@ 更新申請・業種追加申請(般特新規申請を伴わないもの)
更新申請については、原則郵送受付ですが、有効期限が至近(一週間以内程度)の場合は窓口で手数料を入金する必要があります。業種追加申請については、一定の場合を除いて原則郵送受付となります。郵送できる場合とそうでない場合については、東京都都市整備局のホームページよりをご確認ください。
A 許可要件にかかわる事項に関する変更届
常勤役員等(経営管理責任者等)・専任技術者・令3条の使用人・健康保険の加入状況など、許可の要件に係わる変更届については、一定の場合を除いて原則郵送受付となります。郵送できる場合とそうでない場合については、上記HPをご確認ください。
B 許可要件にかかわらない事項(決算報告および常勤役員等でない役員の就退任等)に関する変更届
従来より郵送受付が可能ですが、当面の間全面的に郵送受付のみとなります。
(従来より郵送受付をしている書類は以下の通り)
ア 都知事許可の決算報告(提出済みの決算報告の訂正を含む。)
イ 都知事許可の許可要件に関わらない変更
【商号、営業所の名称・所在地・電話番号・郵便番号、資本金額、役員等(常勤役員等・専任技術者・
令3条の使用人以外)、代表者(申請人)、役員等の氏名(改姓・改名)、健康保険の加入人数】
ウ 都知事許可の全部廃業届
※ 注意事項
ア 送料は、申請者の負担となります。
イ 郵送の際は、「建設業許可申請送付票兼審査票」が必要となります。変更事項ごとの必要資料は「送付票」に記載されています。送付票データは、上記HPよりダウンロードし、必要事項を記入の上、郵送書類と共に送付するようお願いいたします。

【下記については、窓口での受付となります】
新規申請・般特新規申請・許可換え申請、承継等の事前認可申請、@において有効期限が至近の更新申請、Aにおいて窓口における判断を要する変更届等郵送受付はできず、窓口による審査となります。また、これらを伴う場合は@〜Bに該当する郵送受付対象のものであっても、ご来庁いただく必要があります。

 

 許可取得後の手続

許可について
許可の有効期間は5年間です。引き続き、建設業を営もうとする場合は、許可の満了する日の30日前までに更新の申請をしなければなりません。
変更届について
申請事項に変更があった場合には、その都度、変更届を提出しなければなりません。
なお、変更事項ごとに、届け出るべき期間が定められています。各種変更届の提出が遅れた場合は、法に基づく罰則がありますので御注意ください。
廃業届について
法第12条に記載された事項に該当するときは、法で定められた期限内に廃業届の提出が必要です。
標識の掲示について
建設業者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに標識を掲示しなければなりません。
変更届、廃業届の提出部数
正本・副本・電算入力用紙 各1部
※電算入力用紙とは、受付後の入力担当者による入力作業用のコピーを指し、以下が該当します。
<入力事項の記入該当事項(□カラムに書き込む事項)があった場合のみ提出>
・変更届出書(様式二十二号の二第一面・第二面)の写し
・常勤役員等証明書(様式第七号または第七号の二)の写し
・健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況(様式七号の三)の写し
・専任技術者証明書(様式第八号)の写し
・届出書(様式第二十二号の三)の写し
・廃業届(様式第二十二号の四)の写し

 

 

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