古物商許可

 古物商とは

古物商は、古物営業法に規定される古物を業として売買または交換する個人又は法人のことである。
なお、古物をレンタル、リース等する場合であっても、顧客に貸与し、または顧客から返還を受けることが同法の「交換」に該当し、古物商に該当します。

古物商の許可が必要

・古物を買い取って売る
・古物を買い取って修理等して売る
・古物を買い取って使える部品等を売る
・古物を買い取らないで、売ったのちに手数料をもらう(委託売買)
・古物を別のものと交換する
・古物を買い取ってレンタルする
・上記のことをネット上で行う

古物商の許可は不要

・自分の物を売る
・自分の物をオークションサイトに出品する
(営利目的で反復継続してネットオークションで古物の売買を行う場合は、古物商免許が必要です。)
・無償で貰った物を売る
・相手から手数料を取って回収した物を売る
・自分が売った相手から売った物を買い戻す
・自分が海外で買ってきた物を売る

 

 古物とは

古物とは、古物営業法第2条第1項で以下のように定義されています。

一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう

一般の消費者等がその使用のために小売店等から一旦譲受した物は、実際の使用の有無を問わず原則として同法の「古物」に該当します。反対に、流通段階における元売り、卸売、小売までの売買関係における物品は、一般に当該物品の使用を目的とはしていないため、その新旧を問わず「古物」とはなりません。いわゆる新古品(型遅れ流通在庫保管品)も「古物」ではありません。
また「古物」には商品券(ビール券、図書券、文具券、お米券等を含む)、乗車券(鉄道、バス等の乗車券、特急券、指定席券、回数券等を含む)、郵便切手、さらに航空券、入場券・観覧券類、収入印紙、プリペイドカード(鉄道、バス等の購入用カード、テレホンカード、タクシー券、有料道路の通行券等も含まれます。
次の物品は概ね「古物」からは除外されます。これらを除いたほとんどの物品(動産)が「古物」の適用対象になります。
コンクリート打設、溶接、またはアンカーボルト接合もしくはこれらに準ずる強度により固定され、かつ容易に取り外しができない重量1トンを超える機械・航空機・鉄道車両・20トン以上の船舶・5トンを超える機械(船舶、自走できるもの、けん引される装置があるものを除く)
古物は、古物営業法施行規則により、次の13品目に分類されます。
1.美術品類(書画、彫刻、工芸品等)
2.衣類(和服類、洋服類、その他の衣料品)
3.時計・宝飾品類(眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類等)
4.自動車(その部分品を含む。)
5.自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。)
6.自転車類(その部分品を含む。)
7.写真機類(写真機、光学器等)
8.事務機器類(中古ビジネスフォン、レジスター、タイプライター、計算機、謄写機、ワードプロセッサ、ファクシミリ装置、事務用電子計算機等)
9.機械工具類(電機類、工作機械、土木機械、化学機械、工具等)
10.道具類(家具、じゅう器、運動用具、楽器、磁気記録媒体、蓄音機用レコード、磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物等)
11.皮革・ゴム製品類(カバン、靴等)
12.書籍
13.金券類(商品券、乗車券及び郵便切手並びに古物営業法施行令に規定する証票その他の物をいう。)

 

 古物営業とは

@ 古物商:1号営業
古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
A 古物市場主:2号営業
古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業
B 古物競りあっせん業者(インターネットオークションサイト運営者):3号営業
古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)
古物市場主とは
「古物市場の運営者を古物市場主」といいます。古物市場とは、古物商許可を所持している者だけが参加することのできる取引市場のことでです。古物市場主は、古物商の許可を得ている業者を対象に古物市場という名の取引場所を提供し、その取引を管理する者のことをいいます。古物市場主は、ビジネスとして古物市場を管理しているので、古物市場の参加者から入場料を取ったり、取引が成立した場合には手数料を取ったりすることで利益を出します。
古物商との違いは、古物市場主は、「取引の場所の提供と取引の管理のみを行い、古物の取引自体には参加しない」ということになります。
古物市場は、それぞれの市場ごとのルールが決められている
例えば、「参加するだけで1万円の入場料」が必要だったり、「入場料は不要、ただし、取引が成立した際には取引金額の5%を手数料として支払う」等が決められています。また、参加する前に入会審査が必要な場合や事前に保証料を支払わなければならない場合もあります。古物市場ごとに参加条件を確認しておく必要があります。
古物市場に参加する前に確認すべきこと
まずは、「古物商営業許可」が必要。しかし、古物商営業許可を持っていれば、全ての古物商が無条件に古物市場に参加できるわけではありません。
古物商許可証には「行商する、行商をしない」のどちらかに○が付けられています。行商とは、古物商の営業所以外の場所で古物の取引をすることをいいます。古物市場で古物を取引を行うことも行商にあたります。古物商許可に「行商をする」に記載がなければ、古物市場で取引することはできません。もし、「行商しない」に印がついていれば、許可証の書き換え申請と変更申請手続が必要です。
行商なし → 行商ありへの変更方法
@ 申請届出場所
古物商許可証の交付を受けた警察署の防犯係が窓口になります。許可取得後に移転した場合も届出後の営業所を管轄とする警察署の防犯係が窓口になります。
A 申請・届出期間
変更があった日から14日以内、登記事項証明書を添付しなければならない場合は20日以内
B 受付時間
各警察署でご確認ください。
C 手数料
書換申請:1,500円(変更届出は手数料はかかりません)
D 必要書類
書換申請・変更届出 2通(1通はコピーで可)
※本人以外が提出する場合は委任状が必要です。
行商をするメリット
行商とは、営業所を離れて古物営業を行うことです。
古物商の行商取引例として次の5点が挙げられます。

・相手方に出向いての取引(出張売買)
・骨董市などの露店に出店しての取引
・デパートでの催事場に出店しての取引
・古物商が集まる古物市場での取引
・中古車、バイクの取引

行商は、自身の営業所以外の場所で古物営業ができる利点が大きく、お互いが古物商であればどこでも取引が可能です。独自の仕入先の開拓もできます。中古車やバイクなどの査定にも出向くことができ、その場で買い取ることもできます。何よりも、行商ができれば、安い値段で大量の仕入れができる古物市場への出入りができることは大きなメリットです。
行商行為の注意点
2018年に古物営業法が改正され、届出をすれば仮設店舗での古物の買受けが可能となりました。ただ、ここでの注意点は行商従業者証の携帯はもちろんのこと、古物の行商を行う場合には買受場所に制限があることです。古物商以外の方から古物を買受ける場合は、自身の営業所又は取引相手の住所か居所で行うことと法律で規定されています。行商をする場合もデパートの催事場や露店などではお客さまから古物を買受けることや売買の委託を受けることができません。行商をする・しないにかかわらず、古物商以外の方から古物を買受ける取引時は、必ず営業所か相手の住所及び居所で取引をするように心がけましょう。

 

 許可が受けられない場合

1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
「破産者で復権を得ないもの」とは、自己破産手続き期間中で、一部の職業には就くことができなくなる状態(資格制限)の者を「破産者」といいます。その後、自己破産手続きが完了し、免責許可決定がされ資格制限も解除された状態を「復権」といいます。「復権」した場合には、すぐに古物商許可を受けることができるようになります。
令和元年12月14日以降の申請から、「成年被後見人等の権利の制度に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(整備法)」の施行により、誓約内容が変更となりました。
2.禁錮以上の刑に処せられ、又は第31条に規定する罪若しくは刑法第235条、第247条、第254条若しくは第256条第2項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して5年を経過しない者
「禁固以上の刑」とは、禁固刑、懲役刑、死刑のこととなります。したがって、拘留や罰金刑の場合には、古物商許可を受けることができます。「第31条に規定する罪」とは、古物営業を無許可で行ったり、偽りや不正の手段によって古物商許可を得た場合や、古物商の名義貸しを行ったため、罰金刑に処せられた場合です。また、「刑法に規定する罪」とは、窃盗罪、背任罪、遺失物横領の罪、盗品等運搬、盗品等保管、盗品等有償譲受けなどの罪を犯して罰金の刑に処せられた場合です。これらの刑に処せられた場合は、刑の執行が終わってからも5年間は古物商許可を受けることはできません。ただし、執行猶予を言い渡され、刑の執行が猶予された場合は、執行猶予期間が終了することにより、古物商許可を受けることができるようになります。
3.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
4.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの
暴力団員やその関係者など、反社会的行為を行う、または、行う可能性がある人は古物商許可を受けることができません(平成30年4月25日 古物営業法の改正により追加)。
法人で申請の場合、役員の中にこのような人がいる場合には、古物商許可を受けることができませんので、ご注意下さい。
5.住居の定まらない者
基本的には、「住民票に記載されている住所に住んでいること」を確認されます。事情により住民票に記載の住所と異なる住所に住んでいる人は、事前に専門家に相談されると解決策がみつかることもあります。
6.第24条第1項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前60日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から起算して5年を経過しないものを含む。)
過去に古物商許可を取得し、古物営業を営んでいたが、古物営業法に違反したことなどを理由に許可が取り消された場合には、取り消された日から5年間は古物商許可を受けることができません。
7.第24条第1項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第8条第1項第1号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの
過去に古物商許可を取得し、古物営業を営んでいたが、古物営業法に違反したなどの理由で、古物商許可の取消しを受ける可能性があり、許可の取消しを回避しようと、取消前に自ら許可証を返納した場合です。この場合、許可証を返納した日から5年間は古物商許可を受けることができません。
8.心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
令和元年12月14日以降の申請から 「成年被後見人等の権利の制度に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(整備法)」の施行 により、新たに規定された項目です。
9.営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第11号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
原則、未成年者は古物商許可を受けることができませんが、結婚することにより成年者として扱われるようになる(成年擬制)ため、1度結婚をした人は古物商許可を受けることができます。さらに、法人役員の中に未成年者がいる場合も、古物商許可を受けるのは「法人」であるため、古物商許可を受けることができます。
10.営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場ごとに第13条第1項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
古物営業は、営業所ごとに「管理者」を選任しなければならず、選任した管理者が欠格要件に該当している場合には、古物商許可を受けることができません。管理者には、未成年者はなることができませんし、適正に古物営業を営むための技術や知識を求められます。また、営業所ごとに選任し、常駐に近い勤務形態を求められるため、管理者の住所が営業所までの通勤圏内であることが求められます。
古物営業を適正に営むにあたり、選任した管理者が適任であるかどうかの判断については、警察の裁量による場合もありますので、ご注意ください。
11.法人で、その役員のうちに第1号から第8号までのいずれかに該当する者があるもの
法人で取得の場合、役員の中に1から6の項目に該当する人がいる場合は、古物商許可を受けることができません。

 

 古物商許可申請


申請場所
主たる営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係)
警察署一覧

手数料
19,000円

必要書類
許可申請書(古物営業法施行規則別記様式第1号)
申請届出様式等一覧(古物商・古物市場主用) 個人申請記載例 法人申請記載例

 

添付書類
個人許可申請の場合
・略歴書(本人と営業所の管理者のものが必要)
・本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(本人と営業所の管理者のものが必要)
・誓約書(本人と営業所の管理者のものが必要)
・身分証明書(本人と営業所の管理者のものが必要)
・URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ必要)
法人許可申請の場合
・法人の定款
・法人の登記事項証明書
・略歴書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・誓約書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・身分証明書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ必要)

備考
・古物商は、営業所ごとに、当該営業所に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者1人を選任しなければなりません。
・いずれの書類も発行、作成日付が申請日から3か月以内のもの
・本人以外の方が申請する場合は委任状が必要です。法人申請の場合は、社員であることの証明書の持参及び営業内容について答えられる方。

問合せ先
営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係)
生活安全総務課 防犯営業第二係
情報発信元警視庁 生活安全総務課 防犯営業第二係
電話:03-3581-4321(警視庁代表)

 

 

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