風俗営業許可

 風俗営業とは

風俗営業に該当するお店の営業を始めようとする場合は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)により営業を開始する前にお店の所在地を管轄する公安委員会の許可を受けなければなりません。具体的には、接待等をするスナック・キャバクラ・バー・クラブ等の社交飲食店やパチンコ店・麻雀店・ゲームセンター等が該当します。
無許可営業に関しては重い罰則(2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は懲役と罰金の併科)が科せられますので、適正に営業を営むために、風俗営業に該当するお店を営む場合は必ず許可を得て行う必要があります。
特に居ぬきで入る場合、以前のお店は問題なく大丈夫だったから今回も大丈夫という保証はどこにもありません。適正に許可を取って営業することが、お店の安定とお得意様の信頼につながります。
風俗営業許可取得までの流れ

@事前のご相談

まずはお電話等でご相談ください。
その際に許可要件を満たしているか簡単なチェックを行います。

 

A面談による打ち合わせ

お客さまのご都合に合わせて面談し、
その他の詳細をご説明いたします。

 

 

B書類・図面作成

測量後、図面作成・必要書類の収集及び作成を行います。

 

C警察署への申請

必要書類が揃いましたら、押印後に所轄の警察署へ申請します。審査期間は書類受理後。概ね55日程度です。

 

 

D実地調査

申請後、3週間程度で店舗の実地調査が行われます。警察と浄化委員会により構造要件の確認及び図面と一致しているかの確認を行います。

E許可証交付

実地調査で問題がなければ、申請から55日程度で許可証が交付され営業開始となります。

 

 風俗営業の種類

許可・届出・営業の種類については全て風俗営業法に定められています。店の名称にかかわらず、どの営業の種類に該当する野かは実際の営業内容に基づき決まります。
第1号営業(社交飲食店・料理店)
キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
第2号営業(低照度飲食店)
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
第3号営業(区画席飲食店)
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
第4号営業(まあじゃん店・ぱちんこ店)
まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
第5号営業(ゲームセンター)
スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)

 

 接待行為とは

1号営業を除き、接待行為を行うことはできません。風営法においては、「接待とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。」と規定されています。
店側が接待の主体となって、「積極的に」「特定少数の客」「特定の客」に働きかけるというのが接待となるポイントです。単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うことになります。
具体的には、次のような行為が接待にあたります。
@ 談笑・お酌など
特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待にあたります。これはカウンター越しであっても同様で、バーテンダーがカウンター越しにお客さまと会話をする行為は、接待にあたる可能性があります。
これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待にあたりません。
A ショーなど
特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は接待にあたります。
これに対して、ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し、同時に、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は、接待にはあたりません。
B カラオケなど
特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う行為は、接待にあたります。
これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為等は、接待にはあたりません。
C ダンス・ゲームなど
特定の客と一緒に踊る行為、客の身体に接触しない場合であっても、継続してその客と一緒に踊る行為は接待に当たります。また、特定少数の客とともに、遊戯・ゲーム・競技等を行う行為も接待に当たります。
D その他
客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接待にあたりますが、、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触等は、接待にあたりません。
また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待行為です。これに対して、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、コート等を預かる行為等は、接待にあたりません。

 

 風俗営業の許可要件

風俗営業は、店舗の所在地を管轄する都道府県公安委員会より許可を受けなければなりません。その許可を受ける際に、欠格事由を定め、許可をしてはならない基準を設けています。風俗営業の許可
を受けるためには「経営者等に関する要件」「お店の場所に関する要件」「お店の構造及び設備に関する要件」の3つの要件があります。

人的要件
1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2.1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
3.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
4.アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
5.心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
6.風俗営業の許可を取消されて5年を経過しない者
7.営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者
8.法人の役員の場合、上記1〜6までのいずれかに該当する者があるとき
9.外国人の場合は、申請できる在留資格が限られてきます。
  永住者、特別永住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、定住、・経営・管理の在留資格を所持する方のみで、それ以外の在留資格の方は、申請者・管理者になることはできません。

場所的要件
用途地域による制限地域
お店の所在地の「用途地域」が以下のいずれかに該当する場合は、その場所で風俗営業の許可を受けることは出来ません。
・第一種低層住居専用地域・
・第二種低層住居専用地域・
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域・
・第一種住居専用地域、
・第二種住居専用地域
・田園住居地域
・準住居地域
一方で、許可が下りる地域は以下の通りです。
・商業地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
・その他用途が指定されていない地域
但し、東京都の場合は、例外として次の地域で風俗営業の許可を受けることが出来ます。
⇒商業地域及び近隣商業地域に隣接する20m以内の第2種住居地域及び準住居地域に営業所がある7号営業及び8号営業。
保全対象施設による制限地域
上記の「用途地域による制限地域」の要件をクリアしても、お店の場所から半径100m以内に「保全対象施設」といわれる、学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所(患者を入院させるための施設(病床)を有するものに限る)がある場合は、その場所では風俗営業の許可を受けることは出来ません。

 

ただし、東京都の場合は、東京都公安委員会規則で次のように要件が緩和されています。
お店の所在地の用途地域が「商業地域」である場合
●学校(大学を除く)・図書館・児童福祉施設(助産施設を除く)が存在していても、その敷地から50m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
●大学・病院(第1種助産施設を含む)・診療所(病床数8床以上)が存在していても、その敷地から20m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
●第2種助産施設・診療所(病床数7床以下)が存在していても、その敷地から10m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
お店の所在地の用途地域が「近隣商業地域」である場合
●学校(大学を除く)・図書館・児童福祉施設(助産施設を除く)が存在していても、その敷地から100m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
●大学・病院(第1種助産施設を含む)・診療所(病床数8床以上)が存在していても、その敷地から50m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
●第2種助産施設・診療所(病床数7床以下)が存在していても、その敷地から20m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
お店の所在地の用途地域が「その他の地域」である場合
●学校(大学を含む)・図書館・児童福祉施設・病院・診療所(病床のある診療所のみ)が存在していても、その敷地から100m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
特定地域
保護対象施設からの距離にかかわらず、風俗営業が可能な地域を「特定地域」といい、東京都の場合は以下の場所が特定地域に該当します。

・中央区
・港区
・新宿区
・渋谷区

・銀座4丁目〜8丁目
・新橋2丁目〜4丁目
・歌舞伎町1丁目、2丁目(9番、10番及び19番〜46番)、3丁目
・道玄坂1丁目(1番〜18番)、2丁目(1番〜10番)、桜丘町(15番、16番)

構造的要件
1号営業(料理店、社交飲食店)
1.客室の床面積は、和風の客室にかかるものにあっては一室9.5u以上とし、その他のものにあっては一室16.5u以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りではない。
2.客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
3.客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
4.善良の風俗又は清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
5.客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りではない。
6.規則第30条に定めるところにより計った営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
7.規則第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
2号営業(低照度飲食店)
1.客室の床面積は、一室5u以上(客に遊興をさせる態様の営業にあっては33u以上)とすること。
2.客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
3.客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
4.善良の風俗又は清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
5.客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りではない。
6.規則第30条に定めるところにより計った営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
7.規則第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
3号営業(区画席飲食店)
1.客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
2.善良の風俗又は清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
3.客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りではない。
4.規則第30条に定めるところにより計った営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
5.規則第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
6.政令第3条第3項第1号ハに掲げる設備を設けないこと。

 

 提出書類

01.風俗営業許可申請書
02.営業方法を記載した書類
03.営業所の使用権原を疎明する書類
  賃貸の場合:使用承諾書又は賃貸借契約書及び建物登記事項証明書
  自己所有の場合:建物登記事項証明書
04.入居概況説明図
05.1階概略図
06.入居階概略図
07.住民票(本籍地入りのもの)申請者(法人の場合は監査役含む役員全員のもの)及び管理者
08.身分証明書 申請者(法人の場合は監査役含む役員全員のもの)及び管理者
09.誓約書 (法人の場合は監査役含む役員全員のもの)
10.営業所平面図
11.求積図(営業所及び客室)
12.求積表(営業所及び客室)
13.照明・音響配置図
14.営業所周辺100m以内の地域の見取り図
15.営業所所在場所の用途地域証明書又は都市計画図
16.保健所許可証又は収受印のある保健所申請書控え(飲食関係営業のみ)
17.メニュー及び料金システム表(飲食関系営業のみ)
18.管理者の写真2枚(3cm×2.4cm、無帽・正面・上三分身、申請前6か月以内撮影のもの、裏面に氏名及び撮影日記載)
19.管理者が法第24条第2項に掲げる者に該当しないことを誓約する書面
20.定款及び履歴事項証明書(申請者が法人の場合)
21.在留カード表裏のコピー(申請者が外国人の場合)
22.その他、麻雀店の申請の場合、麻雀台全台につき、「レート表示ができない麻雀台」であること又は「積算機能のついて
  いない麻雀台」であることがわかる写真を添付する。パチンコ店の場合遊技機にかかる検定通知書の写し及び保証書等

 

 風俗営業許可申請の注意点

風俗営業は深夜0時以降(場所又は期間によっては深夜1時以降)から午前6時前まで葉営業ができません。
深夜にも営業を続けたい場合には、「深夜における酒類提供飲食店営業開始届」を提出しなければなりません。
ただし、この場合は、接待行為ができませんので注意が必要です。
「風俗営業許可」と「深夜酒類提供飲食店営業開始届」は同一の営業所では両方持つことはできません。
したがって、店舗営業を開始する前に接待飲食営業か接待行為のない深夜営業形態かどちらかを選ぶ必要があります。

 

 風俗営業許可を受けた後の注意点

風俗営業の許可を受けているお店であっても、許可後にお店の大規模な修繕・模様替え、客室の位置・数、床面積の変更などがある場合は変更前にあらかじめ変更承認申請を提出して公安委員会の承認を受けなければなりません。さらに、営業者の氏名(法人の場合は会社名)及び住所(所在地)の変更があった場合や、法人の代表者の氏名の変更、お店の名称変更、監査役を含む法人役員の氏名及び住所の変更などがあった場合も変更があった日から一定の期日までに変更届出を公安委員会に提出しなければなりません。

 


 特定遊興飲食店営業許可

 特定遊興飲食店とは

特定遊興飲食店営業とは、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、深夜の時間帯に客に対して飲食(酒類を提供して営むものに限る)させる営業で、午前6時から翌日の午前0時前の時間においてのみ営むもの以外の営業で、風俗営業に該当する営業ではない営業をいいます。

特定遊興飲食店の要件
1.午前0時以降午前6時まで客に酒類を提供する
2.客に遊興させる
3.客室の照度が10ルクスを超える

※東京都の条例では、午前5時〜午前6時までの間は、特定遊興飲食店は営業できません。

 

 遊興とは

特定遊興飲食店営業として、規制対象となる遊興に関しては「遊興」の定義と「させる」の定義を理解する必要があります。
@ 「遊興」の定義
言葉自体は「遊ぶこと、特に料理屋などで酒を飲んだりして遊び興じることをいいます。」お酒を介した遊びというような意味合いとなりますので基本的に酒席での次のような行為が「遊興」と考えられます。ショーやダンス、演芸その他の興行等を見せる行為、歌手がその場で歌うこと、バンドの生演奏等を聴かせる行為、客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為、のど自慢大会、カラオケ等の遊戯、ゲーム、競技、スポーツ等の映像を客に見せる行為など。したがって、同じ遊びでも「遊技」にあたるような、麻雀、パチンコ、スロットマシン、テレビゲーム等は「遊興」には該当しません。
A 「させる」の定義
お客に遊びを興じさせることで、具体的な態様としては「営業者側の積極的な行為によって」「遊びに興じさせる」状態をいいます。客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為、営業者側の積極的な行為によってショー等を観賞するような不特定の客に勧める行為や実演者が不特定の客の反応に対応し得る状態で演奏・演技を行う行為、遊戯等を行うよう不特定の客に勧める行為、遊戯等を盛り上げるための言動や演出を不特定の客に行う行為等は、営業者側の積極的な行為にあたります。
これに対して、営業者側の積極的な行為がない場合は「客に遊興させる」ことにはあたりません。例えば、いわゆるカラオケボックスで不特定の客にカラオケ装置を自由に使用させる行為やカラオケ装置を設け、不特定の客が自分から歌うことを要望した場合に、マイクや歌詞カードを手渡し、又はカラオケ装置を作動させる行為、バー等でスポーツ等の映像を単に不特定の客に見せる行為(客自身が応援等を勝手に行う場合)、単にテレビ映像や録音された音楽を流すような行為、ボーリングやビリヤードの設備を設けてこれを不特定の客に自由に使用させる行為等は「客に遊興させる」ことにはあたりません。
要するに、不特定の客が自ら遊戯を希望した場合に限ってこれを行わせ、不特定の客の遊戯に対して営業者側が何らかの反応も行わないような場合は、営業者側の積極的な行為にはあたらず、「l客にい遊興させる」ことにはあたりません。飲食店での映像によるスポーツ観戦も営業者側の積極的な行為(応援の音頭を積極的にとったり)の態様があればそ店舗が、深夜にお酒を提供して反復継続して、営業としてそのようなコンセプトの飲食店営業を行う場合は、この特定遊興飲食店営業の許可が必要となってきます。
また、この営業者側の積極的な行為はすべて不特定多数の客に対するものなので、特定の客に対する積極的な行為がある場合は「接待行為」にあたりますので、風俗営業の接待飲食の許可の対象となります。

 

 特定遊興飲食店営業の許可要件

特定遊興飲食店営業は、店舗の所在地を管轄する都道府県公安委員会より許可を受けなければなりません。その許可を受ける際に、欠格事由を定め、許可をしてはならない基準を設けています。特定遊興飲食店営業の許可を受けるためには「経営者等に関する要件」「お店の場所に関する要件」「お店の構造及び設備に関する要件」の3つの要件があります。

人的要件
1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2.1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
3.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
4.アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
5.心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
6.風俗営業の許可を取消されて5年を経過しない者
7.営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者
8.法人の役員の場合、上記1〜6までのいずれかに該当する者があるとき

場所的要件
営業可能地域
東京都の場合、営業可能地域は次のいずれかです。条例で定められていますので、他府県の場合は、該当する条例を確認してください。

・東京都公安委員会規則第4条により東京都公安委員会が公示する地域
・近隣商業地域のうち、港区六本木4丁目〜7丁目までの地域
・東京湾の一部

このいずれかの地域内以外では、営業できません。社交飲食店に比較して、営業地域はかなり限定されてきます。上記の営業可能地域内であっても、住居集合地域又は住居集合地域からの距離が20m以下の区域(当該区域が風俗営業等密集地域であれば、幹線道路の各側端から50m以下の区域を除く)は、営業が許可されません。
ホテル内の営業
上記の3つの営業可能地域内以外でも、ホテル・旅館が以下の要件を満たすときは、当該ホテル等の中で特定遊興飲食店は営業可能です。

・同一階のほかの区域、直上・直下の部分をホテル等営業者又は風俗営業者、特定遊興飲食店営業者もしくは深夜における酒類提供飲食店営業者もしくは興行営業者が管理していること。
・バルコニーを設置する場合はバルコニーに通じる出入口に二重扉を設けること。
・非常の場合を除き、ホテル等営業者が管理する部分を通じてのみ客が営業所に出入りできる構造であること。
・ホテル等営業者が営業所への客の出入りを適切に管理できること。
・営業所が設けられるホテル等の施設が店舗型性風俗特殊営業(ラブホテル等)の用に供されないこと。

保全対象施設による制限地域
特定遊興飲食店営業の関する保全対象施設は次の通りです。
お店の所在地の用途地域が「商業地域」である場合
●児童福祉施設(助産施設を除く)が存在していても、その敷地から50m以上離れていれば特定遊興飲食店営業の許可を受けることが出来ます。
●病院(第1種助産施設を含む)・診療所(病床数8床以上)が存在していても、その敷地から20m以上離れていれば特定遊興飲食店営業の許可を受けることが出来ます。
●第2種助産施設・診療所(病床数7床以下)が存在していても、その敷地から10m以上離れていれば風俗営業の許可を受けることが出来ます。
お店の所在地の用途地域が「近隣商業地域」である場合
●児童福祉施設・病院(第1種助産施設を含む)・診療所(病床数8床以上)・第2種助産施設・診療所(病床数7床以下)が存在していても、その敷地から100m以上離れていれば特定遊興飲食店営業の許可を受けることが出来ます。

構造的要件
客室の広さ
全ての客室床面積が33u以上なければなりません。客室が1室であっても要件は変わりません。営業所ではなく、客室床面積であることに注意してください。まずは客室床面積が33u以上確保できるかの確認が必要です。
その他
次の要件をすべて満たさなければなりません。
1.客室に見通しを妨げる設備を設けないこと。
2.善良の風俗又は清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼす恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
3.客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りではない。
5.規則第95条に定めるところにより計った営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
6.規則第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

 提出書類

01.特定遊興飲食店営業許可申請書
02.営業方法を記載した書類
03.営業所の使用権原を疎明する書類
  賃貸の場合:使用承諾書又は賃貸借契約書及び建物登記事項証明書
  自己所有の場合:建物登記事項証明書
04.入居概況説明図
05.1階概略図
06.入居階概略図
07.住民票(本籍地入りのもの)申請者(法人の場合は監査役含む役員全員のもの)及び管理者
08.身分証明書 申請者(法人の場合は監査役含む役員全員のもの)及び管理者
09.誓約書 (法人の場合は監査役含む役員全員のもの)
10.営業所平面図
11.求積図(営業所及び客室)
12.求積表(営業所及び客室)
13.照明・音響配置図
14.営業所周辺地域の見取り図
15.保健所許可証又は収受印のある保健所申請書控え(飲食関係営業のみ)
16.メニュー及び料金システム表(飲食関系営業のみ)
17.管理者の写真2枚(3cm×2.4cm、無帽・正面・上三分身、申請前6か月以内撮影のもの、裏面に氏名及び撮影日記載)
18.管理者が法第24条第2項に掲げる者に該当しないことを誓約する書面
19.定款及び履歴事項証明書(申請者が法人の場合)
20.在留カード表裏のコピー(申請者が外国人の場合)

 

 特定遊興飲食店営業許可を受けた後の注意点

営業者の責務として、良好な風俗環境の保全を図るための規定が設けられ、営業者には次のような義務が課されます。
1.風俗営業者及び特定遊興飲食店営業者は、深夜において、客が営業所の周辺において迷惑を及ぼすことがないようにするための義務。
 ・営業所周辺においての他人迷惑を及ぼしてはならない旨の表示の掲示又は客への交付
 ・営業所周辺においての他人迷惑を及ぼしてはならない旨の客に対する口頭説明及び音声による周知
 ・泥酔した客への酒類提供禁止
 ・営業所内及び営業所周辺の巡視
 ・営業所周辺の迷惑行為を行う客に対しての「とりやめ、又はこれを行わないよう」求めること
2.従業員に対する教育
3.苦情処理に関する帳簿の備え付け義務(3年間の保存)と苦情の処理

 

許可後にお店の大規模な修繕・模様替え、客室の位置・数、床面積の変更などがある場合は変更前にあらかじめ変更承認申請を提出して公安委員会の承認を受けなければなりません。さらに、営業者の氏名(法人の場合は会社名)及び住所(所在地)の変更があった場合や、法人の代表者の氏名の変更、お店の名称変更、監査役を含む法人役員の氏名及び住所の変更などがあった場合も変更があった日から一定の期日までに変更届出を公安委員会に提出しなければなりません。

 

 

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