⧉ 建築士事務所登録
1.次の方は、建築士法第23条の定めるところにより、建築士事務所の登録を受けなければな りません。
(1)他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を行うことを業として行おうとする建築士の方
(2)建築士を使用して、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を行うことを業として行おうとする方
設計等とは、次の業務を言います。
@建築物の設計 A建築物の工事監理 B建築工事契約に関する事務 C建築工事の指導監督 D建築物に関する調査または鑑定 E建築に関する法令または条例に基づく手続きの代理
(3)建設業者が請負の一環として事実上の設計等を業として行う場合は、建設業の許可のほかに、建築士事務所の登録が必要です。
2.無登録業務は禁止されています(建築士法第23条の10)
無登録で他人の求めに応じ報酬を得て設計等を業として行った場合は、懲役又は罰金に処されます(建築士法第38条)。
3.建築士事務所には、建築士法第24条第1項の規定により、事務所を管理する専任の建築士(以下「管理建築士」という。)を置かなければなりません。
一級建築士事務所は、専任の一級建築士が管理し、二級建築士事務所は専任の二級建築士が管理し、木造建築士事務所は専任の木造建築士が管理することになっています。
管理建築士となるためには、建築士法第24条第2項により建築士として3年以上の設計等の業務(建築士法施行規則第20条の5)に従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければなりません。
専任とは、事務所に常勤し、専ら管理建築士の職務を行う必要があります。従って、雇用契約等により、事業主体と継続的な関係を有し、休業日を除いて通常の勤務時間中は、その事務所に勤務していなければなりません。
○1人の建築士が複数の建築士事務所の管理建築士となることはできません。
○1つの建築士事務所登録に、複数の管理建築士を置くことはできません。
○派遣労働者は、管理建築士にはなれません。
○退職・異動等により管理建築士が不在となった場合は、廃業事由に該当するため、30日以内に廃業等の届出をしなければなりません。
○他事務所の管理建築士として登録されている建築士は原則として、当該建築士事務所の所属建築士となることはできません。
4.登録は、建築士事務所の所在地の都道府県知事ごとになります。
法人等で事務所を支店、営業所等を設け、そこにおいて設計等の業務を行う場合には、それぞれ建築士事務所の登録を受けなければなりません。
5.登録の有効期間は、5年間
登録があった日から5年目の登録日に対応する1日前に満了します。
6.有効期間満了後、引き続き業務を行おうとする方
満了日前30日までに更新の登録申請をしなければなりません。更新の手続きをしない場合は、登録抹消となります。
7.申請者が建築士法第23条の4第1項、第2項に該当する場合
登録できないことがあります。
8.建築士事務所の登録を受けた方(「建築士事務所の開設者」)
建築士法により建築主への重要事項説明や書面による契約締結義務、設計等の業務に関する報告書の提出等、様々な規定が課せられます。
建築士事務所登録に係る申請手続の流れは次のとおりです。
※申請書の提出先は、東京都の場合「一般社団法人東京都建築士事務所協会登録センター」となります。
・新規申請の登録については、通常、申請書受理後5日から10日間程度の期間を要します。
・更新の申請は、有効期間満了の日前30日までにしなければなりません(建築士法施行規則第18条)。一般社団法人東京都建築士事務所協会登録センターでは、満了日の2か月前から受け付けております。
<登録手数料>
@ 一級建築士事務所登録新規、更新:18,500円
A 二級建築士事務所及び木造建築士事務所登録新規、更新:13,500円
(1)個人登録の場合
新規・更新の申請書類等:@〜E、Mは正・副各1部(副本は写しで可)、 F〜H、J〜L、は1部提出して下さい。
<申請書類>
@建築士事務所登録申請書 (第一面) 注1
A所属築士名簿(第二面)
管理建築士を筆頭に、全員記入。注2
B業務概要書
直近5年間の主なものを記入。(新規申請の場合は不要)
C略歴書(登録申請者)
申請者個人の認印を捺印して下さい。
D略歴書(管理建築士)
管理建築士個人の認印を捺印してください。(登録 申請者が管理建築士を兼ねる場合はCで兼用)。
E誓約書
記名捺印(認印)するか、申請者本人が署名して 下さい。
<添付書類>
F開設者の住民票
原本提出(個人番号記載無し、3ヶ月以内のもの)。
G事務所の賃貸借契約書の写し等
建築士事務所の所在地がFに記載されている場合は不要。注3
(管理建築士)
H住民票
原本提出(個人番号記載無し、3ヶ月以内のもの)。開設者と同一人の場合は、Fの住民票で兼用。
I建築士免許証(建築士免許 証明書)の原本提示
(新規申請時のみ)原本は現状確認後、即、返却致します。建築士免許証(賞状型)に、無効印又は、カード型免許証明書に切替済の印が押されている場合は、建築士免許証明書を提示して下さい。 J建築士免許証(建築士免許証明書)の写し
K前職場の退職証明(退職後6ヶ月以内の場合)
個人事業をしていた場合は、直前期の確定申告書(第一面及び第二面)の写し。注4
L専任証明
登録申請者が兼ねる場合は不要。注5
M管理建築士講習修了証の写 し
管理建築士となるためには、建築士法第24条により建築士として3年以上の設計等の業務(建築士法施行規則第20条の5)に従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければなりません。また、修了証の交付をもって講習修了考査の合否が確定するため、講習を修了しただけでは受付することができません。申請時には、管理建築士の講習修了証の写しを必ず添付して下さい。
【☝ポイント】
建築士事務所名称は、前後どちらかに「一級(二級・木造)建築士事務所」と入れて下さい。
注2.
他事務所に管理建築士として登録されている建築士は原則として、当該建築士事務所の所属建築士となることはできません。
注3.
住民票上の住所と所在地が異なる場合は、建築士事務所の所在地と、申請する個人が事務所所在地を正当に使用できることが分かる書類が必要です。
(ア)個人の自己所有の場合には、不動産登記事項証明書(建物)原本等を提出して下さい。
(イ)賃貸借契約書の場合には、賃貸借契約書の写し(約款まで含む)を提出して下さい。その際、賃借人が当該個人事業主になっていることを確認して下さい。なお、無断賃貸借防止の観点から、賃貸借契約書に仲介人(不動産業者)がいないときには、賃貸人の所有権を確認するため、別途、不動産登記事項証明書(建物)原本等が必要となります。
(ウ)賃貸借契約をしていない場合は、使用承諾書と使用承諾者が建物の所有者であることが分かる書類として、不動産登記事項証明書(建物)原本等を提出して下さい。
(エ)転貸借の場合には、賃貸借の原契約書の写しと、原賃貸人(所有権者)及び賃借人の転貸借に係る同意を示すもの(所有権者からの同居承諾書)を提出して下さい。なお、無断転貸防止の観点から、賃貸借契約書に仲介人(不動産業者)がいないときには、賃貸人の所有権を確認するため、別途、不動産登記事項証明書(建物)原本等が必要となります。
(オ)フロアーを区切り、様々な業種に対しレンタルするシェアオフィスについては、賃貸借契約期間中、固定区画を維持でき、建築士法上の標識の掲示及び帳簿の保管等が実施できる状態であれば、登録できます。賃貸借契約書(入会申込書)の写し及び、区画を表示した書類を提出して下さい。なお、バーチャルオフィスでは登録できません。
※添付書類上の登記事項証明書(建物)以外に、固定資産税納税通知書の納税義務者欄及び 課税明細書の写しも同様に扱います。
注4.
退職証明書以外に、雇用保険の資格喪失届の写し、離職票の写し、健康保険資格喪失届 (受理印付)の写し、厚生年金の加入期間証明も同様に扱います。個人事業をしていた場合は、直前期の確定申告書(第一面及び第二面)の写し。6ヵ月以内に他道府県で管理建築士をしていた場合は、その建築士事務所の登録道府県へ提出した受付印のある廃業届等の写し(廃業に伴う添付書類は不要)も必要となります。
注5.
管理建築士の専任(常勤)を証明するものとして、次の資料のいずれかを提出して下さい。
(ア)健康保険被保険者証(事業者名と管理建築士の氏名が記載されているもの)の写し。事業所名が、記載されていない場合には、次のいずれかの資料が併せて必要です。
@健康保険組合発行の健康保険資格証明書
A健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し
B健康保険・厚生年金保険資格取得確認書の写し
(イ)雇用保険被保険者証(事業者名と管理建築士の氏名が記載されているもの)の写し
(ウ)住民税の特別徴収税額通知書(事業者あてのもの)の写し
(エ)管理建築士の氏名が専従者欄に記載されている確定申告書の写し
(オ)その他常勤が確認できるもの…予め個別にご相談下さい。
登録後、変更事項が生じた場合は、建築士事務所登録事項変更届(以下、変更届という)を提出しなければなりません。
また、変更事項にしたがって必要な書類を提出しなければなりません。(提出部数2部とは 正本1部、副本1部となります)(副本は写しで可)。法人の商号、所在地、役員、並びに代表者の変更等では、商業登記事項証明書(履歴事項全部証明書・閉鎖事項全部証明書等)で変更事項にかかる記載がされていることを確認して下さい。
(個人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部
(法人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 商業登記事項証明書(発行後3か月以内のもの) 1部
(個人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 事務所の賃貸借契約書の写し等 1部 住民票(3か月以内発行) 1部
(法人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 商業登記事項証明書(3か月以内発行) 1部 事務所の賃貸借契約書の写し等 1部
(個人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 略歴書 2部 誓約書 2部 住民票(3か月以内発行) 1部
※個人事業の建築士事務所の場合、開設者の変更はできません(氏名の変更を除く)。
(法人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 商業登記事項証明書(発行後3か月以内のもの) 1部
(法人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 役員名簿 2部 略歴書 2部 誓約書 2部 商業登記事項証明書(3か月以内発行) 1部
(法人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 役員名簿 2部 役員変更事項一覧表 2部 誓約書 2部 商業登記事項証明書(3か月以内発行) 1部
(法人の場合) 建築士事務所登録事項変更届 2部 役員名簿 2部 役員変更事項一覧表 2部
建築士事務所登録事項変更届 2部 所属建築士名簿(第二面) 2部 略歴書 2部 住民票(3ヶ月以内発行) 1部 建築士免許証(建築士免許証明書)の原本提示 建築士免許証(建築士免許証明書)の写し 1部(建築士免許証(賞状型)に無効印又は、カード型免許証明書に切替済の印が押されている場合は、建築士免許証明書を提示して下さい。) 前職場の退職証明(退職後6ヶ月以内の場合、個人事業をしていた場合は確定申告書(第一面及び第二面)の写し) 専任証明 2部(管理建築士の専任《常勤》を証明するもので、事業者名が記載された健康保険被保険者証の写し・雇用保険被保険者証の写し・住民税の特別徴収税額通知書の写し等) 管理建築士講習修了証の写し 2部
建築士事務所登録事項変更届 2部 所属建築士名簿(第二面) 2部 所属建築士変更事項一覧表 2部
建築士事務所を開設した後には、以下のような義務が課せられます。
1.標示の掲示(建築士法第24条の5)
建築士事務所開設者は、その建築士事務所において、公衆の見やすい場所に国土交通省令で定める標識(建築士事務所の名称、登録番号、開設者、管理建築士名、登録の有効期間の標示)を掲げなければなりません。
2.帳簿の備付け及び図書の保存(建築士法第24条の4)
建築士事務所開設者は、その業務に関する事項で、毎事業年度毎の契約の相手方、契約の種類、その概要、報酬の額等を記載した帳簿を事業年度末日の翌日から15年間保存しなくてはなりません。また、事務所に属する建築士がその建築士事務所の業務として作成した設計図書等に関しても、作成から15年間保存しなくてはなりません。
3.書類の閲覧(建築士法第24条の6)
建築士事務所開設者は、国土交通省令で定めるところにより、以下に掲げる書類を事務所に3年間備え置き、設計等を委託しようとする者の求めに応じ、閲覧をさせなければならない。
@.当該建築士事務所の業務の実績を記載した書類
A.当該建築士事務所に属する建築士の氏名及び業務の実績を記載した書類
B.設計等の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結、その他の措置を講じている場合にあつては、その内容を記載した書類
Cその他建築士事務所の業務及び財務に関する書類で国土交通省令で定めるもの
4.重要事項の説明等(建築士法第24条の7)
建築士事務所開設者は、設計又は工事監理の委託を受けることを内容とする契約(設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、建築主に対し、その事務所の管理建築士その他の当該建築士事務所に属する建築士に、設計受託契約又は工事監理受託契約の内容及びその履行に関する重要事項について書面を交付して説明をさせなければなりません。
5.書面の交付(建築士法第24条の8)
建築士事務所開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、設計又は工事監理の種類及びその内容、設計又は工事監理の実施の期間及び方法、報酬の額及び支払いの時期、契約の解除に関する事項等を記載した書面を委託者に交付しなければなりません。
6.設計等の業務に関する報告書の提出(建築士法第23条の6)
建築士事務所開設者は、毎事業年度終了後3ヶ月以内に、当該建築士事務所の業務の実績の概要や所属する建築士の当該事業年度における業務の実績等を記載した設計等の業務に関する報告書を作成し、提出しなければなりません。その他、「再委託禁止」や「立入検査の協力義務」など、建築士事務所開設者には多くの義務が課せられます。