⧉ 酒類製造免許
酒税法において「酒類」とは、アルコール分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が90度以上のアルコールのうち、第7条第1項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。
酒類は、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類の4種類に分類することができます。
酒類は、次のように定義されています。
(1)第3条第3号 発泡性酒類
イ 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
ロ 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中麦芽の重量がホップ及び水以外の原料の重量の合計の100分の50以上のものであり、かつ、その原料中政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の100分の5を超えないものに限る。)
ハ イ又はロに掲げる酒類にホップ又は政令で定める物品を加えて発酵させたもの(その原料中麦芽の重量がホップ及び水以外の原料の重量の合計の100分の50以上のものであり、かつ、その原料中政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の100分の5を超えないものに限る。)
(2)第3条第4号 醸造酒類
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の100分の50を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
イ 果実又は果実及び水を原料として発酵させたもの
ロ 果実又は果実及び水に糖類(政令で定めるものに限る。ハ及びニにおいて同じ。)を加えて発酵させたもの
ハ イ又はロに掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの
ニ イからハまでに掲げる酒類にブランデー、アルコール若しくは政令で定めるスピリッツ(以下この号並びに次号ハ及びニにおいて「ブランデー等」という。)又は糖類、香味料若しくは水を加えたもの(ブランデー等を加えたものについては、当該ブランデー等のアルコール分の総量(既に加えたブランデー等があるときは、そのブランデー等のアルコール分の総量を加えた数量。同号ハにおいて同じ。)が当該ブランデー等を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10を超えないものに限る。)
ホ イからニまでに掲げる酒類に政令で定める植物を浸してその成分を浸出させたもの
(3)第3条第5号 蒸留酒類
イ 発芽させた穀類又は果実(果実を乾燥させ若しくは煮つめたもの又は濃縮させた果汁を含み、なつめやしの実その他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)を原料の全部又は一部としたもの
ロ しらかばの炭その他政令で定めるものでこしたもの
ハ 含糖質物(政令で定める砂糖を除く。)を原料の全部又は一部としたもので、そのアルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のもの
ニ アルコール含有物を蒸留する際、発生するアルコールに他の物品の成分を浸出させたもの
イ 穀類又は芋類、これらのこうじ及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機(以下この号及び第43条第7項において「単式蒸留機」という。)により蒸留したもの
ロ 穀類のこうじ及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもの
ハ 清酒かす及び水若しくは清酒かす、米、米こうじ及び水を原料として発酵させたアルコール含有物又は清酒かすを単式蒸留機により蒸留したもの
ニ 砂糖(政令で定めるものに限る。)、米こうじ及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもの
ホ 穀類又は芋類、これらのこうじ、水及び政令で定める物品を原料として発酵させたアルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が穀類又は芋類(これらのこうじを含む。)の重量を超えないものに限る。)
ヘ イからホまでに掲げる酒類以外の酒類でアルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもの(これに政令で定めるところにより砂糖(政令で定めるものに限る。)その他の政令で定める物品を加えたもの(エキス分が2度未満のものに限る。)を含む。)
イ 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)
ロ 発芽させた穀類及び水によつて穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)
ハ イ又はロに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの(イ又はロに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10以上のものに限る。)
イ 果実若しくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物又は果実酒(果実酒かすを含む。)を蒸留したもの(当該アルコール含有物又は果実酒の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)
ロ イに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの(イに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10以上のものに限る。)
(4)第3条第6号 混成酒類
イ 米及び米こうじに焼酎又はアルコールを加えて、こしたもの
ロ 米、米こうじ及び焼酎又はアルコールにみりんその他政令で定める物品を加えて、こしたもの
ハ みりんに焼酎又はアルコールを加えたもの
ニ みりんにみりんかすを加えて、こしたもの
イ 果実又は果実及び水に糖類を加えて発酵させたもの
ロ 前号イ若しくはロに掲げる酒類又はイに掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの
ハ 前号イからハまでに掲げる酒類又はイ若しくはロに掲げる酒類にブランデー等又は糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの(ブランデー等を加えたものについては、当該ブランデー等のアルコール分の総量が当該ブランデー等を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の90を超えないものに限る。ニにおいて同じ。)
ニ 果実酒又はイからハまでに掲げる酒類に植物を浸してその成分を浸出させたもの若しくは薬剤を加えたもの又はこれらの酒類にブランデー等、糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの
(4)その他
酒類を製造する者は、製造する種類の品目ごとに、製造場ごとに免許を取得しなければなりません。
免許を受けた品目と異なる品目の酒類を製造しようとするときは、改めてその品目の免許を受ける必要がある(たとえば、ウイスキーの免許でブランデーを造ることはできません)
酒造メーカーや大学などで研究のために製造する際に設定された「試験酒類製造免許」があり、法定製造数量の制約を受けませんが、販売することはできず、有効期間や種類に制約があります。
酒類の製造は、たとえ自己消費であったとしても免許がなければ製造することはできません。
免許を受けずに種類を製造すれば、処罰の対象となります。酒母やもろみを製造する場合も免許が必要となります。例外的に、酒類製造者が当該酒類の製造のため酒母やもろみを製造する場合は免許を必要としません。
☞<ポイント>
酒税法第7条第2項において、種類別に1年あたりの最低製造見込数量(法定製造数量)が定められている。免許取得後1年間に製造しようとする見込数量がこれに達しない場合は、免許を受けられません。また、実際の製造数量がこれを3年間下回ると、免許取消しとなります。
@清酒 - 60キロリットル A合成清酒 - 60キロリットル B連続式蒸留焼酎(甲類) - 60キロリットル C単式蒸留焼酎(乙類) - 10キロリットル Dみりん - 10キロリットル Eビール - 60キロリットル F果実酒 - 6キロリットル G甘味果実酒 - 6キロリットル Hウイスキー - 6キロリットル Iブランデー - 6キロリットル J原料用アルコール - 6キロリットル K発泡酒 - 6キロリットル Lその他の醸造酒 - 6キロリットル Mスピリッツ - 6キロリットル Nリキュール - 6キロリットル O粉末酒 - 6キロリットル P雑酒 - 6キロリットル
以下の場合は、適用除外です。
1.清酒の製造免許を受けた者が、その製造免許を受けた製造場において、単式蒸留焼酎又はみりんを製造しようとする場合
2.連続式蒸留焼酎又は単式蒸留焼酎の製造免許を受けた者が、その製造免許を受けた製造場において、みりんを製造しようとする場合
3.果実酒又は甘味果実酒の製造免許を受けた者がブランデーを製造しようとする場合
4.試験のために酒類を製造しようとする場合
5.一の製造場において清酒及び合成清酒を製造しようとする場合で、製造免許を受けた後1年間におけるその製造見込数量の合計が60キロリットル以上であるとき。
6.一の製造場において連続式蒸留焼酎及び単式蒸留焼酎を製造しようとする場合で、製造免許を受けた後1年間におけるその製造見込数量の合計が60キロリットル以上であるとき。
7.前各号に準ずる場合として政令で定める場合
♦人的要件
申請人(法人の場合には、その役員)が次の人的要件を満たす必要があります。
1.過去において、酒類の製造免許、販売免許、アルコール事業法の取消処分を受けたことがないこと
2.法人が、免許の取消処分を受けた場合、取消原因となった事実があった日の1年以内に役員であった者で当該処分の日から3年を経過していること
3.営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人、被保佐人若しくは被補助人であつて、その法定代理人が欠格事由(1、2、7-1・2、8)に該当しないこと
4.申請者又は法人の場合はその役員が欠格事由(1、2、7-1・2、8)に該当しないこと
5.支配人が、欠格事由(1、2、7-1・2、8)に該当しないこと
6.申請者が当該申請前2年内において国税又は地方税の滞納処分を受けた者でないこと
7-1.国税・地方税に関する法令、酒類業組合法、アルコール事業法の規定により罰金の刑に処せられ、又は国税犯則取締法等の規定により通告処分を受け、刑の執行を終わった日等から3年を経過していること
7-2.未成年者飲酒禁止法、風俗営業等適正化法、暴力団員不当行為防止法、刑法、暴力行為等処罰法により、罰金刑に処せられ、刑の執行を終わった日等から3年を経過していること
8.禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行を終わった日等から3年を経過していること
♦場所的要件
免許申請する製造場にあっては、「取締上不適当と認められる場所でないこと」
1.申請製造場が酒類の販売場、酒場、旅館、料理店等と同一の場所でないこと
♦経営的基礎要件
申請者が「経営の基盤が薄弱でないこと」として次の要件を満たす必要があります。
1.申請者は、破産者で復権を得ていない場合など、その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に該当しないこと。
・現に国税又は地方税を滞納している場合
・申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
・最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っている場合
・最終事業年度以前3事業年度のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じている場合 「資本等の額」とは、資本金、資本剰余金及び利益剰余金の合計額から繰越利益剰余金(会社法施行(平成18年5年1日)前に終了する事業年度については、当期未処分利益又は当期未処理損失)を控除した額をいいます。
・酒税に関係のある法令に違反し、通告処分を受け、履行していない場合又は告発されている場合
・製造場の申請場所への設置が、建築基準法、都市計画法、農地法、流通業務市街地の整備に関する法律その他の法令又は地方自治体の条例の規定に違反しており、店舗の除却若しくは移転を命じられている場合
・現に酒類製造免許を受けている酒類に対する酒税につき、担保の提供を命ぜられたにもかかわらず、その全部又は一部を提供しない場合
・酒類の製造免許を付与することとした場合において、当該製造者が今後1年間に納付すべき酒税額(既免許の酒税額を含む)の平均3ヶ月分に相当する価格又は免許申請書に記載する酒税額の4ヶ月分に相当する価額のうち、いずれか多い方の価格以上の担保を提供する能力がないと認められる者であること
・申請酒類小売販売場において、酒類の適正な販売管理体制が構築されないことが明らかであると見込まれる場合
2.申請者は、事業経験その他から判断して、適正に酒類を製造するに十分な知識及び能力を有すると認められる者又はこれらの者が主体となって組織する法人であること
3.申請者は、酒類を適切に製造するために必要な資金、製造又は貯蔵等に必要な設備及び人員を有する(ことが確実と認められる)者であって、酒類の製造に関して安定的な経営が行われると認められること
4.酒類の製造に関し、必要な資金を融資等により将来にわたって確保することができ、かつ、その事業計画が単年度黒字の発生、累積欠損の解消等が確実に図られることを予定しているなど黒字体質に転換する合理的な根拠があると認められる場合を含む
5.酒類の製造免許を付与することとした場合において、当該酒類の製造に必要な原料の入手が確実と認められること
♦需給調整要件
以下の酒類の製造免許は、付与が限定されます。
<製造免許>
@清酒
A合成清酒
B連続式蒸留焼酎
C単式蒸留焼酎
(かすとり・特産品以外のもの)
Dみりん
E原料用アルコール
<需給調整要件>
・当該製造業者が、企業合理化を図るため新たに製造場を設置して製造しようとする場合
・2以上の当該既製造者が、企業合理化を図るため新たに法人を組織し、新たに製造場を設置して共同製造しようとする場合
・当該既製造者が、企業合理化を図るため分離又は分割し、新たに製造場を設置して製造しようとする場合
<製造免許>
@清酒
<需給調整要件>
共同して瓶詰することを目的として設立された清酒製造者が主となって組織する法人の蔵置場又は自己の瓶詰等のための蔵置場に未納税移入した清酒に、炭酸ガス又は炭酸水を加え、発泡性を持たせた清酒を製造しようとする場合
<製造免許>
@単式蒸留焼酎
(かすとり)
<需給調整要件>
・清酒製造者が、自己の清酒の製造に際し生じた酒かす又は米ぬか等の副産物を主原料として、当該清酒製造場又は自己の他の製造場において単式蒸留焼酎を製造しようとする場合
・2以上の清酒製造者が、新たに法人を組織して、その構成員である製造者の清酒の製造に際し生じた酒かす又は米ぬか等の副産物を主原料として、新たに製造場を設置して単式蒸留焼酎を製造しようとする場合
<製造免許>
@単式蒸留焼酎
(特産品)
<需給調整要件>
製造しようとする酒類が、特産品の特性を有するものであり、かつ、その製造及び販売見込み数量から販売先が申請地域に限定されていると認められる場合、個々にその内容を検討し免許付与の可否を決定
<製造免許>
@原料用アルコール
<需給調整要件>
製造者が連続式蒸留機を設置している製造場において原料用アルコールを製造しようとする場合
♦技術的設備要件
1.申請者が醸造・衛生面等の知識があり、かつ、保健衛生上問題のない一定水準の品質の種類を継続的に供給することができ、不測の事態が生じた場合に対応できる能力を有していること
2.酒類の製造又は貯蔵に必要な機械、器具、容器等が十分備わっているとともに、工場立地法・下水道法・水質汚濁防止法・食品衛生法等製造場の設備に関する法令及び条例に抵触していないことが確実であること
酒類の製造を営もうとする場合には、製造しようとする酒類の品目別に、当該製造場の所在地を管轄する税務署長の免許を受けなければなりません。
☞<ポイント>
@あらかじめ、原料入手先、製造方法等を決め、収支見込みを想定しておく必要があります。
A必要資金の調達方法の確認のため、預金残高証明書又は融資証明書等の提出を求められることがあります。
B添付する納税証明書は、都道府県及び市町村が発行する、未納がない旨及び2年以内に滞納処分を受けたことがない旨を証明したものが必要です。
(申請に必要な書類)製造免許申請書類一覧表
@申請書 (申請書チェック表)
A製造場の敷地の状況
B建物等の配置図
C製造方法
D製造場の設備の状況
E事業の概要・収支見込・資金調達
F「種類の販売管理方法」に関する取組計画
G誓約書
H申請者の履歴書(法人の場合は、役員全員分)
I定款(法人の場合)
J登記簿謄本(法人の場合)
K住民票(個人の場合)
L土地及び建物の賃貸借契約書(賃貸借の場合)
M土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明)
N財務諸表(直近3年分)
O地方税の納税証明書
P技術的能力を備えていることを記載した書類
Q酒類製造場についての書類
酒類製造免許の取得については、申請から通知書の交付までの標準処理期間は、概ね4か月となります。
@お客さまからのお問い合わせ
A取得可能かどうか、要件の確認
B必要書類の収集
C管轄税務署へ申請書の提出(保健所への営業許可申請)
D現地調査の実施(保健所の立入調査もあります)
E申請から4か月程度で通知書の交付
F免許通知書の交付、登録免許税の納付
G営業開始
H営業開始後、酒類の販売数量等の報告手続(毎年4月30日まで)
⧉ 酒類販売業免許
酒類販売業免許とは、酒税法に規定される酒類の販売を行うための免許。お酒は、誰でも販売できるわけではありません。酒類販売業免許は、販売する場所ごとにその所在地を管轄する税務署から取得する必要があります。なお、レストラン等の料理店・飲食店、旅館・ホテル等が酒類を提供する場合には免許は要しません。ただし、風俗営業の許可等を取得する必要があります。酒類販売業免許にはいくつかの区分・酒類があり、販売方法や業態等に応じて取得する必要があります。
酒類販売業免許は、酒類卸売業免許と酒類小売業免許に大別されます。
酒類販売業者又は酒類製造業者に対し、継続的に酒類を販売することができます。
酒類卸売業の免許は、以下のとおりに分類されます。
@全酒類卸売業免許
原則として、すべての品目の酒類を卸売することができます。年間の平均販売見込数量が100kl以上である必要があります。
Aビール卸売業免許
ビールを卸売することができます。年間の平均販売見込数量が50kl以上である必要があります。
B洋酒卸売業免許
果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、発泡酒、その他の醸造酒、スピリッツ、リキュール、粉末酒及び雑酒を卸売することができます。
C輸出入酒類卸売業免許
自己が輸出する酒類、自己が輸入する酒類を卸売することができます。
D店頭販売酒類卸売業免許
自己の会員である酒類販売業者(住所及び氏名又は名称並びに酒類販売業者であることを免許通知書等により確認した上で、会員として登録し管理している酒類販売業者に限ります。)に対し店頭において酒類を直接引き渡し、当該酒類を会員が持ち帰る方法による酒類の卸売することができます。
E協同組合員間酒類卸売業免許
自己が加入する事業協同組合(中小企業等協同組合法に基づくものに限ります。)の組合員に対する酒類の卸売することができます。
F自己商標酒類卸売業免許
自らが開発した商標又は銘柄の酒類の卸売することができます。
G特殊酒類卸売業免許
酒類事業者の特別の必要に応ずるために酒類を卸売することが認められる免許です。
一般消費者や菓子製造業者、料理店などに継続的に販売することができます。
酒類小売業の免許は、以下のとおりに分類されます。
@一般酒類小売業免許
店舗を開いてお酒を小売りすることができます。
A通信販売酒類小売業免許
インターネット等でお酒を小売りすることができます。
B特殊酒類小売業免許
自社の役員等にお酒を小売りすることができます。
全酒類卸売業免許・ビール卸売業免許の取得について
1.毎年9月1日に卸売販売地域(都道府県)ごとの免許可能件数を国税庁のHPに掲載。また、各税務署の掲示板等にも引き続き掲載します。
2.1か月間の申請期間(9月1日から30日)を設定し、審査順位は公開抽選により決定。
3.申請時には、一部の書類(申請時提出分の書類)のみの提出で差し支えないこととし、審査時に残りの書類の提出を受け付けます。
経営基礎要件
1.酒類の製造業若しくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に直接従事した期間が引き続き10年(これらの事業の経営者として直接業務に従事した者にあっては5年)以上である者、調味食品等の卸売業を10年以上継続して経営している者又はこれらの業務に従事した期間が相互に通算して10年以上である者。
2.酒類業団体の役職員として相当期間継続して勤務した者又は酒類に関する事業及び酒類業界の実情に十分精通していると認められる者。
3.申請等販売場が沖縄県に所在する場合の申請者等の経歴については、1に定める期間が10年とあるのを3年と読み替えます。
輸出入酒類卸売業免許
<取引承諾書>
輸出酒類卸売業免許、輸入酒類卸売業免許ともに、申請時に予定仕入先、予定販売先の両方の取引先との取引承諾書を提出しなければなりません。申請に向けて、早めに承諾書を取得しておくことをお勧めします。
一般酒類小売業免許
一般小売業免許の主なポイントは、以下の通りとなります。
@お酒を陳列する店舗がなければ申請できません。
A免許の申請は「販売場ごと」に行う必要があります。
Bお酒の種類に限定はなく、輸入酒や地ビールなども扱えます。
C同一の都道府県内であれば、通信販売等も行うことができます。
D免許が付与された後、酒類販売管理者や責任者を選任する必要があります。
通信販売酒類小売業免許
通信販売とは「2都道府県以上の広域な地域の消費者等を対象として、商品の内容、販売価格その他の条件をインターネット・カタログの送付等により提示し、郵便、電話、その他の通信手段により売買契約の申込みを受けて当該提示した条件に従って行う販売」をいいます。「カタログの送付等」には、カタログ・チラシ等の備え置きや雑誌・新聞への広告掲載、テレビ放送の利用等も含まれます。
※同一都道府県内で通信販売等を行う場合は、「通信販売酒類小売業免許」ではなく「一般酒類小売業免許」が必要となります。
通信販売酒類小売業免許の主なポイントは、以下の通りとなります。
@自宅に倉庫や事務所を置くなど、省スペースでの営業活動が可能です。
A販売対象が全国であり、営業の幅が広がります。
B取り扱うお酒は、一般小売店では通常購入することが困難なものに限られます。(注1)
C免許が付与された後、酒類販売管理者や責任者を選任する必要があります。
(注1)1.品目ごとの年間課税移出数量が、すべて3,000kl未満である製造者が製造・販売するお酒 2.輸入酒
1.酒税法上の義務
【1】記帳義務
酒類の仕入れと販売に関し、酒類の品目及びアルコール分別に、次の事項を記帳する必要があります。
@仕入・販売数量
A仕入・販売価格
B仕入・販売年月日
C仕入・販売先の住所及び氏名又は名称
帳簿はその販売場ごとに常時備え付け、帳簿閉鎖後5年間保存する義務があります。
【2】申告義務
酒類販売販売業者は、次の事項について販売場等の所轄税務署長に申告等を行う必要があります。
●毎年度報告するもの
<報告事項>
毎年度の種類の品目別販売数量の合計数量及び年度末の在庫数量
<期限>
翌年度の4月30日
●事由発生の都度、報告するもの
<発生事由>
住所及び氏名又は名称、販売場の所在地若しくは名称に異動があった場合
<期限>
直ちに
<発生事由>
販売業を休止又は再開する場合
<期限>
遅滞なく
<発生事由>
免許を受けた販売場と異なる場所に酒類の貯蔵のための倉庫等を設ける場合又はその倉庫等を廃止する場合
<期限>
あらかじめ
<発生事由>
税務署長から、酒類の販売先(酒場、料理店等)の住所、氏名又は名称の報告を求められた場合
<期限>
別途定める日
【3】届出義務
酒類販売業者は、次の事項について販売場等の所轄税務署長に届出を行う必要があります。
<届出事項>
販売場等(酒類の製造場以外の場所)で酒類を詰め替えようとする場合
<期限>
詰め替え2日前
2.酒類業組合法上の義務
【1】表示義務
酒類小売業者は、以下に掲げる未成年者の飲酒防止に関する表示基準を遵守しなければなりません。遵守しなかった場合、50万円以下の罰金に処され、免許が取り消される場合もあります。
(一般酒類小売業免許)
(1)陳列場所における表示100ポイント以上の日本文字
@見やすい箇所に「酒類の売り場である」又は「酒類の陳列場所である」
A見やすい箇所に「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」
(2)自動販売機に対する表示
@「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」57ポイント以上のゴシック体の日本文字
A免許者の氏名又は名称、酒類販売管理者の名称と連絡先20ポイント以上の日本文字
B午後11時から翌日午前5時までの販売停止時間42ポイント以上のゴシック体の日本文字
(通信販売酒類小売業免許)
(1)広告又はカタログ等
「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」又は「未成年者に対して酒類を販売しません」
(2)納品書等の書類
「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」
※以上の文字を「10ポイント以上の日本文字」で記載すること
酒類販売管理者制度
酒類小売業者は、酒類の小売販売場における酒類の適正な販売管理の確保を図るため、販売場ごとに、酒類販売管理者を選任しなければなりません。酒類販売管理者を選任したときは、2週間以内に「酒類販売管理者選任届出書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。 平成28年5月に成立した、酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律により、平成29年6月1日から、酒類小売業者は、酒類販売管理研修を過去3年以内に受けた者のうちから、酒類販売管理者を選任しなければならず、また、酒類販売管理者に、前回の受講から3年を超えない期間ごとに酒類販売管理研修を受講させなければならないこととなりました。
酒類販売管理者は、その選任された販売場において酒類の販売業務に関し法令を遵守した業務が行われるよう酒類小売業者に助言し、あるいは酒類の販売業務に従事する従業員等に対して指導を行います。
酒類販売管理者選任(解任)届出書 記載例
(1)酒類卸売販売業免許 手引書
酒類の卸売販売業を営もうとする場合には、販売場ごとに、当該販売場の所在地を管轄する税務署長の免許を受けなければなりません。
☞<ポイント>
@あらかじめ、仕入先・販売先や価格、収支見込みを想定しておく必要があります。
A仕入先及び販売先との取引承諾書の提出を求められることがあります。
B必要資金の調達方法の確認のため、預金残高証明書又は融資証明書等の提出を求められることがあります。
C添付する納税証明書は、都道府県及び市町村が発行する、未納がない旨及び2年以内に滞納処分を受けたことがない旨を証明したものが必要です。
(申請に必要な書類)酒類販売業免許申請書類一覧表
@申請書 (申請書チェック表)
A販売場の敷地の状況
B建物等の配置図
C事業の概要(販売設備状況書)
D収支の見込
E所要資金の額及び調達方法
F「酒類の販売管理の方法」に関する取組計画書
G誓約書
H申請者の履歴書(法人の場合は、役員全員分)
I定款(法人の場合)
J登記簿謄本(法人の場合)
K住民票(個人の場合)
L土地及び建物の賃貸借契約書(賃貸借の場合)
M土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明)
N財務諸表(直近3年分)
O地方税の納税証明書
(2)一般酒類小売業免許 手引書
酒類の小売販売業を営もうとする場合には、販売場ごとに、当該販売場の所在地を管轄する税務署長の免許を受けなければなりません。
☞<ポイント>
@あらかじめ、仕入先・販売先や価格、収支見込みを想定しておく必要があります。
A酒類の陳列場所に、未成年の飲酒防止に関する表示等が必要で、申請書の配置図に明示する必要があります。
B必要資金の調達方法の確認のため、預金残高証明書又は融資証明書等の提出を求められることがあります。
C添付する納税証明書は、都道府県及び市町村が発行する、未納がない旨及び2年以内に滞納処分を受けたことがない旨を証明したものが必要です。
(申請に必要な書類)酒類販売業免許申請書類一覧表
@申請書 (申請書チェック表)
A販売場の敷地の状況
B建物等の配置図
C事業の概要(販売設備状況書)
D収支の見込
E所要資金の額及び調達方法
F「酒類の販売管理の方法」に関する取組計画書
G誓約書
H申請者の履歴書(法人の場合は、役員全員分)
I定款(法人の場合)
J登記簿謄本(法人の場合)
K住民票(個人の場合)
L土地及び建物の賃貸借契約書(賃貸借の場合)
M土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明)
N財務諸表(直近3年分)
O地方税の納税証明書
(3)通信販売酒類小売業免許 手引書
通信販売によって酒類の小売販売業を営もうとする場合には、販売場ごとに、当該販売場の所在地を管轄する税務署長の免許を受けなければなりません。
☞<ポイント>
@あらかじめ、仕入先・販売先や価格、収支見込みを想定しておく必要があります。
A販売できる酒類が限定されていますので、事前に確認が必要です。
B販売するインターネット上で、未成年の飲酒防止に関する表示が必要です。
C必要資金の調達方法の確認のため、預金残高証明書又は融資証明書等の提出を求められることがあります。
D添付する納税証明書は、都道府県及び市町村が発行する、未納がない旨及び2年以内に滞納処分を受けたことがない旨を証明したものが必要です。
(申請に必要な書類)酒類販売業免許申請書類一覧表
@申請書 (申請書チェック表)
A販売場の敷地の状況
B建物等の配置図
C事業の概要(販売設備状況書)
D収支の見込
E所要資金の額及び調達方法
F「酒類の販売管理の方法」に関する取組計画書
G誓約書
H定款(法人の場合)
I登記簿謄本(法人の場合)
J住民票(個人の場合)
K土地及び建物の賃貸借契約書(賃貸借の場合)
L土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明)
M財務諸表(直近3年分)
N地方税の納税証明書
O販売しようとする酒類の説明書
Pインターネット上の商品レイアウト、申込書、納品書