道路使用許可

Ⅰ.道路とは

「道路」とは、道路交通法第2条第1項第1号で以下の@からBとされています。
@道路法第2条第1項に規定する道路
一般交通の用に供する道で、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道をいいます。
A道路運送法第2条第8項に規定する自動車道
専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で@以外のものをいいます。
B一般交通の用に供するその他の場所
@A以外で不特定の人や車が自由に通行することができる場所をいいます。
(不特定人の自由な通行が認められている私道、空地、広場、公開時間中の公園内の道路等)

 

Ⅱ.道路における禁止行為

道路交通法第76条では、何人もいかなる場合にあっても、交通の妨害となるような方法で物をみだりに道路に置いたり、道路上の人や車を損傷させるおそれのある物を投げるなどの行為を行うことは禁止(絶対的禁止行為)されています。

 

Ⅲ.道路使用許可とは

道路は、本来、人や車が通行するためのものですが、道路工事、工作物の設置等はもとより、各種イベントの開催や地域住民のコミュニケーションの場などとして、多種多様に使用されています。
そこで、道路交通法では、本来目的の使用以外のやむを得ない道路使用行為を許可の対象とすることにより「道路本来の効用」を最大限にいかすよう努めています。

 

Ⅳ.道路使用許可の対象(道路交通法第77条第1項)

道路使用許可の対象となる行為は、次のとおりです。
(1)道路において工事又は作業をしようとする行為(第1号)
具体例:道路工事、管路埋設工事、軌道工事、地下鉄工事、跨道橋工事、架空線工事、マンホール作業、採血等作業、ゴンドラ作業、搬出入等作業等
(2)道路に石碑、銅像、広告板、アーチ等の工作物を設けようとする行為(第2号)
具体例:公衆電話ボックス等の設置、街路灯・消火栓の設置、路線バス停留所等標示施設の設置、アーケードの設置、立看板・掲示板・その他広告板の設置、横断幕の設置、飾付けの設置、舞台・やぐらの設置等
(3)場所を移動しないで、道路に露店、屋台店等を出そうとする行為(第3号)
具体例:露天、屋台店、靴修理(靴磨き等の店)、商品の陳列台等
(4)前各号に揚げるもののほか、公安委員会が定める一定の行為(第4号)
具体例:祭礼行事、ロケーション、消防訓練、寄付金募集、宣伝物交付、車両街宣、車両装飾、路上競技等

 

Ⅴ.許可基準

道路使用許可が必要な行為を行う場所を管轄する警察署長は、道路交通法第77条第2項の規定に基づき@からBのいずれかに該当する場合は許可をしなければなりません。
@現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき
A許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき
B現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき

 

Ⅵ.(参考)道路占用許可

「道路占用」とは、道路上に電柱や公衆電話を設置するなど、道路に一定の物件や施設などを設置し、継続して道路を使用することをいいます。
※地上に物件を設置することのほか、地下に水道・下水道・ガスなどの管路を埋設することや沿道の建物から看板や日除け等を道路の上空に突き出して設置することも含まれます
「道路占用許可」とは、道路法にもとづき道路管理者が道路上などに継続して施設を設置することを許可すること。講学上は特許である。占用の許可を受けた場合には「占用料」が発生します。(道路法第39条)

道路管理者:一般国道のうち指定区間内であれば国土交通大臣、指定区間外であれば都道府県知事ないし政令指定都市の市長、都道府県道であれば都道府県知事ないし政令指定都市の市長、市町村道であれば市町村長

道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。(道路法第32条)
・電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱(郵便ポスト)、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物
・水管(水道管)、下水道管、ガス管その他これらに類する物件
・鉄道、軌道その他これらに類する施設
・歩廊、雪よけその他これらに類する施設
・地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設
・露店、商品置場その他これらに類する施設
・これらの外、道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物、物件又は施設で政令で定めるもの

 

Ⅶ.道路使用許可の申請手続(道路交通法第78条第1項)

道路使用許可が必要な行為を行う場所を管轄する警察署長の許可(道路使用の許可行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する2以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの警察署長の許可)を受けなければなりません。
道路使用許可と道路占用許可の両方の許可が必要となる場合には、各申請書を所轄警察署長又は道路管理者の一方の窓口に一括して提出することができます。
【申請に必要な書類】(道路交通法施行規則第10条)
1. 道路使用許可申請書(2通)
2. 道路使用許可申請書の添付書類
・道路使用の場所又は区間の付近の見取図
・道路使用の方法又は形態等を補足するために公安委員会が必要と認めて定めた書類
【手数料】(東京都の場合)
工事・作業に関する申請:2,700円、工事・作業以外に関する申請:2,100円